「通知表はオール1」「受験時に父の会社が倒産」 "非行少女"が4回目の司法試験で合格できた「紆余曲折の半生」

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松本亜土弁護士
「司法試験はシューティングゲームだと思う」と話す松本亜土弁護士(2025年8月13日、大阪市で、弁護士ドットコム撮影)

司法試験は「シューティングゲーム」4度目で合格

──司法試験突破までの道のりは?

中高で勉強していなかったので授業についていくのが大変でした。甲南大学ロースクール(法科大学院)では2回留年。バイトやウーバーイーツで生活費を稼ぎながら勉強しました。

司法試験には4回目で受かりました。ロースクールを卒業してから一人で勉強していましたが、不安でしょうがなかったです。

3回落ちたあとは予備校に通い、割り切って全科目の論証パターンを一文ずつ30回ほど声に出して読み上げ、あるワードを見たら定義や意味をすぐに言えるようになるまで暗記しました。集中力がないので「書くよりも声に出すほうが頭に入る」タイプなんです。

司法試験はシューティングゲームみたいだと思います。出題される論点を次々と撃ち抜いていく。一つの論点だけ膨らませてもダメなんです。

合格した瞬間、「やっと報われた」「これでやりたいことができる」と思い、ほっとしました。景色が変わったようで、しばらくは目の前が輝いて見えました。

──「しばらくは」ですか。

司法試験に受かる前はすごく高い壁があるイメージだったんですが、その壁をよじ登って弁護士になったら、さらに高い壁がドンと目の前にあるんです。

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