「通知表はオール1」「受験時に父の会社が倒産」 "非行少女"が4回目の司法試験で合格できた「紆余曲折の半生」

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親は驚いていましたが、「もう行かへん」「辞めさせてくれへんなら、学校に行ったふりして駅前のゲーセンに行くから」と言って押し切りました。その後は地元の公立中に転校して、上下ジャージで通いました。

制服とか、学校が指定した色に縛られるのが嫌だったんでしょうね。それに、みんなが地元の中学に進学する中で、なんで自分だけ一人で岡山に行くんやろって。今でも悲しかった記憶は残っています。

「もう来ないで」学校に見放され、通知表はオール1

──現在の松本さんにつながるようなエピソードですね。それからは?

父が浮気性で、ある日、浮気相手の夫が家に乗り込んできたんです。それで父の浮気が発覚し、母はショックから毎日ワインを1本空にするほど酒に溺れるようになりました。中1の終わりごろの話です。

家の中では、ガラスの灰皿が飛び交い、ケンカが絶えない。家にいるのが怖くて、自宅近くの公園のすべり台の間で寝てました。すべり台に寝転んで星空を見ながら、「なんで自分って生まれてきたんかなあ」と涙が出ることもありました。

そうして悪い仲間とつるむようになり、学校に行っても授業の内容が頭に入らなくなる。なので授業には出なくなり、当然、通知表はオール1。

学校に行っても授業の邪魔をしていたので、先生には「卒業証書は渡すから、もう来ないでください」と言われる始末でした。

でも、人と話すのは好きだった。夜になれば駅前に行けば誰かいて、悪い子同士でつながっていく。そうやって寂しさを紛らわしていたんだと思います。

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