「通知表はオール1」「受験時に父の会社が倒産」 "非行少女"が4回目の司法試験で合格できた「紆余曲折の半生」

中学のときの通知表は「オール1」。両親のケンカが絶えず、公園のすべり台で眠ることもあった。そんな女性が今、弁護士として活躍している。
松本亜土(あど)さん(35)。「留置場のブラトップ着用」や「取り調べ拒否Tシャツ」などをめぐり、国や捜査機関の対応を追及している。
権力を相手に、なぜそこまで闘おうとするのか──。以前から抱いていた疑問を確かめるため、大阪市内の事務所を訪ねると、想像もしなかった過去が語られた。(弁護士ドットコムニュース・一宮俊介)
私立中を「みんな同じ制服が気持ち悪い」と2日で退学
──どうして弁護士になろうと?
高校3年のときに「司法試験を受けたい」と思ったんです。でも、中学生のころの私は、通知表がオール1で、通信制高校に行くしかなかったんですよ。センター試験の1週間前、リーマンショックの余波で父の会社が倒産して……。
──いきなり情報量が多いですね。松本さんはどちらの出身ですか?
兵庫県姫路市で生まれました。小学校は地元でしたが、中学受験で岡山の私立女子中に入学しました。でも、入学式の日、みんな同じ制服を着ているのを見て「気持ち悪い」と感じたんです。「なんか違うな」と思って、2日で辞めました。