ここまで読んで、「よし、明日から会議のやり方を変えよう」と思った人もいるだろう。しかし、そう簡単にはいかない。会議のやり方を変えようとすると、必ず反対が出る。
「今までのやり方で問題ないじゃないですか」
「変える必要性を感じません」
「いきなり変えると、現場が混乱します」
こうした声が必ず上がる。理屈で説明しても、賛同する人は2割もいない。なぜか? だいたいが「可燃人」だからだ。
拙著『わかりやすさよりも大切な話し方』で詳しく解説した。人は大きく「自燃人」「可燃人」「不燃人」の3タイプに分かれる。すぐに動く「自燃人」は少数派。多くは「可燃人」であり、彼らは周囲の空気を見ながら動く。
だからこそ、会議改革を成功させるには、時間をかけて組織の空気を変えていくことが大事なのだ。焦らず、少しずつ、確実に変えることを心がけよう。いくら理路整然と話しても、すぐに納得するメンバーはごく一握りだ。
正しいマネジメントがあってこその会議
大事なことは、正しい会議のやり方よりもまず、正しいマネジメントのやり方を知ることだ。会議はただの道具なのだから。
マネジメントサイクルの基本はPDCA。計画を立て、そのとおりに実行し仮説検証する風土をつくることがまず第一。実行力がない組織に、会議などいっさい必要ない。会議を増やすことで実行力がともなうことなど、ありえない。
「無駄会議」があふれる組織は、空気が悪くなる。タイパを重んじる若者のやる気は著しく落ちる。上司が会議に忙しいせいで、部下との接触を減らし、相互の関係も正しく構築できなくなる。
まずは「無駄会議」の特徴を認識し、ひとつでも減らしていこう。反対派は出てくるが、前向きに捉えてくれる「自燃人」を味方にして、会議改革をやり遂げてもらいたい。
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