【対策】
会議の最後には、必ず「誰が」「何を」「いつまでに」やるのかを明確にする。これを「コミットメントリスト」として記録し、参加者全員に共有する。そして、次の会議では必ず「前回のコミットメントリストの進捗確認」から始める。こうすることで、会議が連続ドラマのようにつながり、組織が前に進んでいく実感が生まれるのだ。
正しい会議が正しく連続し、相互につながっていれば、会議の目的はわかるはずだ。報告だけで終わるはずもない。今後どうしていくべきかのネクストアクションも決まるはず。
コミュニケーションを最短化する3つの会議戦略
では、具体的にどうすれば無駄会議を撲滅し、コミュニケーションを最短化できるのか。ここでは、私が現場で実践している3つの会議戦略を紹介しよう。
報告や情報共有は、会議の前にすべて終わらせておく。メールやチャット、共有ドキュメントを使って、参加者全員が事前に目を通せる状態にしておくのだ。こうすることで、会議の時間は「議論」と「意思決定」だけに集中できる。30分で終わる会議が10分で終わることも珍しくない。
会議の名称にこだわりを持っている人は、あまりにも少ない。資料に関してもそうだ。名称にはこだわろう。たとえば「部長会議」としてしまうと、部長を集めて実施する会議ということになる。誰が集まるかではなく、目的が先でなければならない。また「営業会議」という名称でもそうだ。営業にかかわることなら、何でも取り扱いができてしまう。自然と、会議の時間は長くなる。
ガバナンス目的の「取締役会」「経営会議」ならともかく、そうでないなら、「来期営業戦略を議論する会議」「顧客満足度アップのための営業部と製造部の対策会議」などとしよう。具体的な目的を名称にすることで会議名は長くなる。しかし、その分だけ会議の目的はハッキリする。
会議が終わる5分前には、必ず「誰が」「何を」「いつまでに」やるのかを確認する時間を設ける。これを怠ると、会議で決まったことが実行されない。コミットメントリストを記録し、次の会議で必ず進捗を確認する。このサイクルを回すことで、会議が「連続ドラマ」になり、組織が前に進んでいく実感が生まれる。
この3つの戦略を実践すれば、会議の時間は確実に短くなる。そして、部下の時間を奪う"タイパ泥棒"から脱却できるのだ。
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