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業績堅調でも株価が冴えない「アドビ」の経営戦略。あらゆるAIを飲み込むハブとなれるか

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Adobeが9月11日、2025年6〜8月期決算を発表。売上高は過去最高の59.9億ドル(前年比11%増)、営業利益(GAAPベース)は21.7億ドルでした。希薄化後1株当たり利益(GAAP)は4.18ドル(前年同期比11%増)となり、2025年度通期の売上およびEPSの目標を引き上げています。

好調を牽引するのは、経営陣が「数十年来で最大の機会」と位置づけるAI分野です。しかし、あまりに急速なAIの進化は、市場に新たな問いを投げかけています。高性能な画像・動画生成AIが次々と登場する中で、クリエイティブツールとしての同社の優位性に疑念が生まれているのです。

Adobeは長年、「Photoshop」「Premiere Pro」といったソフトウェアで市場を制してきました。しかし近い将来、同社のツールがなくとも高度なコンテンツを制作できるかもしれない。この変化は、Adobeが築き上げてきたクリエイターのエコシステムを根本から揺るがしかねません。

本連載「Strainer Report」はわかりやすい図表に定評のあるストレイナーの決算分析記事のうち、海外企業に関するレポートを掲載しています。詳細はStrainerをご覧ください

こうした市場の懸念に対し、経営陣は明確な戦略を示しています。それは、個々の生成AIと競合するのではなく、あらゆるAIモデルを自社製品に「統合」するという構想。いわば「クリエイティブ作業のOS」になるというビジョンです。本記事では、Adobeの最新決算について紐解きながら、同社の今後について考えます。

あらゆるAIを飲み込む「ハブ」となる?

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