25年《夏ドラマ視聴率ランキングTOP10》上位は"意外な顔ぶれ"。ドラマの雄・TBSが貫禄を見せ、テレビ朝日が"台風の目"に!各作品を振り返る
テレビ朝日といえば『相棒』『特捜9』『緊急取調室』『刑事7人』といった長寿刑事ドラマの人気シリーズでおなじみだ。それら看板作はストーリーのクオリティが高く視聴率を稼ぐ一方、年配層の視聴者が多く、SNSやネットニュースをにぎわせることは多くない。
そうしたなか、今期はTOP5入りした3作に象徴されるように、とがった設定やストーリーによるオリジナルの攻めの姿勢が、結果につながった。
松たか子と阿部サダヲの“ワケあり夫婦”
そのなかでも、『しあわせな結婚』は今期いちばんの話題作になっていた。
松たか子と阿部サダヲが演じる夫婦の穏やかなドラマかと思いきや、第1話からいきなりサスペンスフルな幕開けとなり、一気に視聴者の心をつかんだ。第2話以降はさまざまな考察がSNSで飛び交い、盛り上がった。
まさに昨今人気の考察視聴向けドラマであり、それを狙った制作だったのだろう。ただ、中盤から後半にかけて、事件の真相と真犯人を追うサスペンス部分で、展開の広がりに欠けるように感じた部分もある。
それでも、夫婦の愛、元夫の愛、第三者の愛、家族の愛と、さまざまな恋愛感情と愛情が複雑に入り組んだサスペンス愛憎劇は、見応え十分だった。

『誘拐の日』は、心優しく間抜けな誘拐犯と、誘拐された記憶喪失の天才少女がニセ親子となり、追っ手から逃亡しながら殺人事件の謎に迫る、異色バディのヒューマンミステリー。
同名韓国ドラマのリメイクだが、その非現実的な巻き込まれ型のストーリー展開も、ドタバタコメディ要素も、斎藤工と子役の永尾柚乃の名演で成立していた。いつの間にか物語に引き込まれ、気づけば楽しんで観ている。2人の芝居あっての視聴率ランキング5位だろう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら