逆の立場で考えて、インバウンドの観光客が駅のホームで「シブヤ! シブヤ!」と身振り手振り、ニコニコ笑顔で質問してきたら、力になろうと思うはずだ。
日本人の真面目な性格は、海外では裏目に出がち。慣れないうちは筆者自身もオドオドビクビク会話してたが、笑顔を意識するようになってから、『みんな優しく助けてくれるし、なるようになるな』と思うようになった。最悪の場合はスマホの翻訳アプリもあるし、そもそもトラブルも旅の醍醐味の1つ。その上で、最初の1回目の渡航は、旅慣れた人と一緒の方がいいかもしれないし、どうしても不安なら節約にはならないがパッケージツアーを選択してみるのもありだ。
筆者も、父がガイド役を必要としていたらいつでも力になるつもりだ。
お金も時間も健康も「有限」…。後悔のない人生の選択を!
台湾旅行について父は「日本から飛行機で約4時間。体力的に少しシンドかった」と話しており、今年で35歳になる私は「健康って有限なんだな」とハッとさせられた。この先も父の体力が減っていくことを考えると、ヨーロッパなど遠くの国に行くなら「今」しかないだろうし、日本から7時間程度かかるタイやシンガポールなどの国々も、そう遠くない未来に「行きたくても行けなくなる日」がやって来るはずだ。
世界的ベストセラー本『死ぬ瞬間の5つの後悔』(新潮社)によると、男性が死ぬ瞬間に最も後悔するのは「働きすぎなければよかった」だそうだ。新卒入社した会社で40年以上も働き続けている父は、長い長いサラリーマンライフを振り返ったとき、現時点で「もっと家族との時間を大切にすればよかった」と後悔しているようだが……。仕事の打ち込み過ぎによる「親孝行不足」に後悔する日が、私を含めた20~30代のビジネスパーソンに訪れない保証はない。
海外旅行の「最初の1歩」が難しいことは、私も自身の経験から重々承知している。その一方で、海外旅行へ強い憧れを抱いている人の割合は、特に上の世代になるほど少なくないのではないか。
私が自由気ままに世界を飛び回って獲得した「旅人のスキル」が、本記事を通して全国のお父さんとお母さん。親孝行したい子供たち世代にお届けできたのなら、肉体派ライター(ウーバー配達員ライター)としてこれ以上の喜びはない。

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