大戸屋が「地下や2階以上」に出店する深い理由。集客には「1階が有利」と言われる中…"デメリットをメリット"に変える戦法とは

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まずいけれども、健康にいいから「もう一杯」飲みたい―、この真摯な言葉が商品への信頼と説得力を高めてくれたのです。

正直な情報発信で信頼を獲得するスーパー

<具体例 オーケー「オネストカード」>
お金をかけずに売れる仕組み大全
『お金をかけずに売れる仕組み大全』(かんき出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

オーケーは、首都圏を中心に150以上の店舗を展開するディスカウントスーパーです。2024年時点で、顧客満足度が最も高いスーパーに14年連続で選ばれています(JCSI顧客満足度調査)。

その高い満足度を支えるのは、低価格の徹底と積極的な情報発信のスタイルです。オーケーには、商品の状態を率直に伝える「オネスト(正直)カード」があり、通常なら顧客にはあまり伝えられないような情報が“正直”に発信されています。例えば、

• 長雨の影響で、レタスの品質が普段に比べ悪く、値段も高騰しています。暫くの間、他の商品で代替されることをお薦めします
• 6月21日から発泡酒が値下げになります。お急ぎでなければ、6月21日までお待ちください

といった、天候による青果の品質、旬の知らせ、あるいは価格変動に関する情報などが、逐一POPとして顧客に伝えられているのです。

オネストカードを掲げることで、仕入れ量を調節し、売れ残りを抑える効果などもあると言います。

弱みを隠すのではなく、きちんと情報発信する仕組みを構築することで、顧客からの信頼を獲得し、大きな強みにできている事例です。

吉澤 健仁 シリアルアントレプレナー

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よしざわ けんじ / Kenji Yoshizawa

1981年、大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。新卒で資生堂に入社し、化粧品の販売業務に従事。その後、WEBサイトの企画・制作・プロモーションを行うエスト株式会社を創業し、代表取締役に就任。WEBサービスの立ち上げ支援、ECビジネスのコンサルティングなどに従事。

2013年5月、株式会社キャリーオンを設立し、子供服のシェアリングプラットフォームを創業。子育てママに人気のサービスに成長し、約10万人の会員と買取点数100万点を超える規模に拡大。子供服の二次流通では国内最大級のサービスとなる。2021年8月、M&Aで同社を売却。環境省グッドライフアワードの実行委員会特別賞、「ソーシャルプロダクツ・アワード」の環境大臣特別賞などを受賞。

東京都立図書館協議会委員や山梨県山梨市・大阪府寝屋川市・京都府亀岡市・北海道北広島市など地方自治体のアドバイザーも務め、大企業からスタートアップまで幅広くマーケティングのコンサルティング・施策実行を支援している。

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