大戸屋が「地下や2階以上」に出店する深い理由。集客には「1階が有利」と言われる中…"デメリットをメリット"に変える戦法とは
同様に「品揃えが少ない」のも、「選りすぐりのものだけが並んでいるから」だと受けとめられれば、納得がいきます。
「納期が遅い」という問題も、「職人が手作業で1つひとつ丁寧に作っています」「無駄を出さないため、注文を受けてから仕入れています」といった打ち出し方ができれば、それはネガティブなことではなくなります。
近年、倉庫のような店がまえのスーパーが人気です。店舗の内外装に余計なコストをかけず、その分、お客様に低価格で商品を提供したいという姿勢が受け入れられているのです。
このようなスーパーは遠くて不便な場所にあっても、コストを下げるためにあえてそういう立地に出店しているという意味付けがあれば、それはマイナス要因とは思われなくなります。わざわざそこまで買いに行くことに、意味を見出せるようになるのです。弱みが価値に変わるのです。
このように、ネガティブな要素もそこにいい意味付けがなされ、その状況だからこその付加価値として示すことで、ファンになってもらえる要素に転換できるのです。
“コスパ”や“タイパ”の対極にあるもの
近年、日本酒を製造する酒蔵が減少していることは、よく知られています。名のある老舗酒造でも廃業や休業が後を絶ちません。
ある小さな酒蔵では、資金不足で量産体制のための設備投資ができず、昔ながらの手法で酒づくりを続けざるを得ない状況でした。手間ひまがかかるけれども低収益で、厳しい状況にあえいでいました。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら