子どもの遊びだった《ガチャガチャ》はなぜ大人を魅了する"体験消費"に進化した? 1400億円市場へ急成長する"商業施設の主役"の正体

最近、ショッピングモールを歩いていると、空いたテナントにぎっしりとガチャガチャが埋められる光景を見るようになった。「次のテナントが来るまでのツナギなのかな」と考え、冷ややかな目で見ていたのが正直なところである。しかし、どうだろう。テナントのガチャガチャはなくならずに、いつまでも残って、盛り上がっている。
特に最近では空きテナントではなく、ショッピングモールに計画的に出店するガチャガチャの店舗が出てきた。その代表格が「ガチャガチャの森」である。ショッピングモールの一角に、ずらりと並ぶ数百台のカプセルトイ。思わず足を止めてしまう人の姿が絶えない。
ショッピングモールのテナント料も、決して安価ではないと聞く。「ガチャガチャだけでやっていけるものなのだろうか」と疑問に思った筆者は、はじめて「ガチャガチャの森」に入ってみた。
30代筆者の記憶とは違う、ガチャガチャの新世界
足を踏み入れた瞬間、驚いたのは雰囲気だった。外から見ていたときは、ガチャガチャがただ無機質に並んでいると思い込んでいたが、実際にはスタッフの「いらっしゃいませ」という声が店内に響いている。そもそも、スタッフなんていたのか。
ガチャガチャの店舗スタッフなんて、いかにも暇そうなイメージだが、この日は忙しそうだった。頻繁に商品の補充をしている。補充を終えると、ガチャガチャのQRコードをスマホで読み取る。なるほど、商品の売れ行きまでデータで管理しているのか。
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