大戸屋が「地下や2階以上」に出店する深い理由。集客には「1階が有利」と言われる中…"デメリットをメリット"に変える戦法とは
しかし、量産できないことを逆手に取って「職人が手づくりするクラフト日本酒」と打ち出したところ、クラフトという言葉や、少量生産だからこその希少性が喜ばれて、逆に人気が出るようになったそうです。“コスパ”や“タイパ”が叫ばれる世の中ですが、だからこそ、昔ながらの非効率な手法で職人が作っているという価値が見直されたのです。
デメリットをメリットに転換する
和定食のチェーン店として全国展開している「大戸屋ごはん処」は、ビルの地下や2階以上に店舗を構えているところが多いことにお気づきですか?
一般に、飲食店の集客には1階に店舗を出すことが有利だと言われています。それは、外を通るお客さんが店内の様子を把握しやすく、階段やエレベーターを使わずにスッと店内に入ることができるから。
つまり、入店の敷居が低いからです。
大戸屋はその常識を覆すような戦略を取っています。なぜでしょうか?
その理由は、女性客が1人でも気がねなく入れるようにするためです。
定食屋というと、かつては客層のほとんどが男性でした。女性は入りたいと思っても、「定食屋のようなお店に1人で入るのを見られるのは恥ずかしい」「定食屋にいるところを見られたくない」という心理が根強くあったのです。
女性にも来店してもらいたい。それには、店に入るところが人目につきにくい地下や2階以上のほうが好都合です。また、通りがかりに外から見られることがないのも、女性にとってはありがたいことです。
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