
定信は本当に「敵役」だったのか
NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華之夢噺~」では、いよいよ松平定信が政権を担う段階に入った。
定信は「田沼病」を克服すると称し、そのためには「質素倹約」が必要だと宣言する。
田沼意次に対する厳しい処罰はもとより、質素倹約や文武奨励に対して批判的な蔦屋重三郎は、個人的に田沼意次を尊敬していることもあって、定信の改革に挑戦していこうとする。
本作は蔦屋重三郎が主人公ということもあり、彼を処罰した松平定信が敵役になるというのはもっともなことである。
問題は、定信がどのような敵として描かれるかだが、これまでのドラマを見ているといつも世を憂えてイライラしており、表だって田沼につっかかるなど、周囲が政治の表裏を考えて動いているのに対して、いくぶん上滑りしている印象がある。
果たして定信は本当にそんな人物だったのだろうか。田沼失脚までの定信について紹介したい。
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