ひとつめは「年金額が低いこと」です。
老後生活の柱となるのは、やはり生涯にわたって受け取れる公的年金です。
しかし、ご存じのように、もらえる年金は人それぞれ異なります。
簡単にいえば、もらえる年金額は、納付額や納付年数が多い人ほど高くなります。
厚生年金の場合、納付額は一般的に賃金(標準報酬月額)が高いほど上がるため、現役時代に長く勤め、収入が高かった人は、年金も高くなるということになります。
ただし上限があるため(標準報酬月額の上限は65万円)、高収入だった人でも青天井というわけではありません。
ちなみに、厚生年金(国民年金分含む)の平均受給月額は、約14万6000円です(2024年度)。
収入や勤続年数によって受取額の違いはあれど、会社員であれば国民年金と厚生年金の2階建てです。年金だけでは暮らすのは難しいとしても、長く勤め上げれば、年金は「老後生活の柱」として十分機能してくれるはずです。
自営業者は低年金に陥りやすい
いっぽう、厚生年金のない自営業者などは国民年金のみですから、年金を満額納めても、受給額は月額6万9108円(2025年度)です。
iDeCo、国民年金基金、小規模企業共済といった制度を使って備えておくか、十分な預貯金がないと、老後生活は自ずと苦しいものになってしまうのです。
ちなみに年金受給開始年齢は65歳ですが、早く受け取れば(60歳〜・繰り上げ受給)一定の割合で一生減額され、遅く受け取れば(〜75歳・繰り下げ受給)一生増額されます。
具体的には、受給額は1カ月受給を早めるごとに0.4%ずつ減り、1カ月遅らせるごとに0.7%ずつ増えます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら