【詳報版】JAL系の格安航空スプリング・ジャパンが「過去に飲酒問題を起こしたパイロット」を重用、情報開示姿勢にも難あり

またもや日本航空(JAL)のパイロットが飲酒トラブルを起こした。夏の繁忙シーズンも終わりに近づいた8月28日、ハワイホノルル発・中部国際空港行きの便の機長が社内規定に違反して滞在先のホテルで飲酒。運航当日に体調不良を訴え、乗務予定だった便など計3便が遅延した。
機長は出発前日にビール3本を摂取した。1本の容量は568mlで、アルコール度数は通常のビールよりかなり高めの9.5度。ストロング系チューハイを1.7リットル飲んだに等しい。出発予定時刻は午後2時20分。前日の昼頃に飲んだというが、さすがにアルコールは抜けないだろう。
パイロットの飲酒問題はJAL単体にとどまらずグループ企業でも起きている。今年5月にはJAL傘下の格安航空(LCC)、スプリング・ジャパンも同様の事例で国土交通省から厳重注意を受けた。現在のJALの出資比率は66.7%で、社長はJAL出身の浅見達朗氏が務めている。
問題を起こしたのは、3月18日の北九州発羽田行きSJO444便の機長(すでに解雇処分済み)。過剰飲酒を隠蔽するため、出勤後に受ける正式なアルコール検査を受けず、自主的なアルコール検査を繰り返していた。
3月の事案は一端にすぎない
国交省への取材によれば、機長は滞在先のホテルで自主的な検査を行い、アルコールを検知した。遅刻して出勤した後も体調不良と主張し、トイレで自主的なアルコール検査を繰り返した。最終的にアルコールは検知されなくなり、正式な検査を経て機長は乗務した。
機長は「栄養ドリンクの摂取などによるものだ」と主張したものの、検査結果を踏まえると過剰な飲酒をしたとスプリング・ジャパンと国交省は判断した。国交省は「機長が違反行為を行ったうえで不合理な説明により隠蔽を図ったと認められる悪質な違反行為」と厳しく指摘した。
スプリング・ジャパンの現役社員は次のように話す。「この飲酒事案はスプリング・ジャパンが飲酒問題に甘い姿勢を示した一件でしかない」。実はスプリング・ジャパンでは、パイロットの採用や登用をめぐって飲酒問題を許容していると捉えられかねないことを行っている。
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