なぜあの若手は態度がデカいのか? 「上司を上司とも思わないZ世代」を劇的に変える"驚きの処方箋"
自信満々で攻撃的な若手社員は、入社当初から自己肯定感が強く、仕事に慣れ始めると一人前のつもりになり、組織の慣習や上司の判断に批判的な姿勢を見せるようになる。ただし、それは職種によって異なる。いわゆる鼻っ柱を折られるような仕事を与えられると、過酷な経験を重ね続けることで、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」となる可能性は高い。
逆に、会社の看板のおかげで外の人から頭を下げられるような役回りを与えられると、すべて自分の力によるものだと勘違いし、増長してしまう。本人は、指摘されるまで自身の変化に気づかないこともある。周囲の同僚どころか上司さえも「口は災いの元」と思い、心の中で冷笑している。
人材不足、年功序列の崩壊、パワハラ防止法の施行、家庭・学校教育環境の変化など、複雑な要因が重なり、下の立場でありながら上から目線になる「過激派」もいる。現在の家庭や学校で、親や教師が子どもや生徒に遠慮する姿勢が常態化した近年の状況を鑑みれば、起こるべくして起こった現象なのかもしれない。
かつて見られたカミナリ親父、熱血上司のように正面から論破を試みると、若手社員の攻撃性が増幅する。下手をすれば感情的なぶつかり合いが生じ、生産性につながらない議論が続きかねない。
「過激派」若手社員にはデータで対処せよ
ここは「データ」を客観的に示し、納得させればいい。「データドリブン」を絶対視しているデジタルネイティブ世代の彼らには、定量化した対応策が有効だ。
例えば、提案をいったん受け入れたうえで、チーム全体の業務がどのように変化したかを数値や事実で可視化して自己修正を促す。そして、人間は完全な合理性に基づいているわけではないという真理を納得させるのだ。
少し学術的に説明すると、この対応は、人間の意思決定は情報や認知能力の制約を受けるというハーバート・サイモンの「限定合理性」に基づいている。
昭和の時代、上司は若手社員の鼻っ柱を折るために怒鳴り散らしていたが、令和ではデータを武器の1つにすればいい。ここで忘れてならないのは、人間味を感じさせる話法である。上司の人柄、印象までがデジタルになってはいけない。
(後編に続く)
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