なぜあの若手は態度がデカいのか? 「上司を上司とも思わないZ世代」を劇的に変える"驚きの処方箋"
② 成功体験を経て「天狗」になるタイプ
③ 「自信満々」で攻撃的なタイプ
これら3タイプの特徴とそれぞれにふさわしいマネジメント手法を多角的な視点からひもといていく。
① 永遠の「指示待ち」タイプ
このタイプの社員は、つねに上司の指示を待ち、自ら動こうとしない。彼らは「正解」を求める教育を受けて育ち、失敗を過度に恐れる傾向がある。自ら判断して失敗するよりも、指示に従って安全な道を選ぶほうが合理的だと考えている。過去の経験から、何をしても無駄だと感じ、無気力になってしまう「学習性無力感」(ペンシルベニア大学のマーティン・セリグマン教授)に陥っている可能性がある。
経済成長が低迷し、終身雇用制度が崩壊した時代に育った彼らは、「頑張っても報われない」という現実を幼い頃から肌で感じてきた。その行動は、必ずしも怠惰とはいえない。傷つくことや、報われない努力に無駄な努力を避けるための防衛的行動なのである。
ところが、慢性的な人手不足に悩む職場では、早急に処理しなくてはならない業務が山積している。指示待ち社員に任せればいいようなものの、そうすると仕事がはかどらない。結局、上司が見かねてほかの人に任せたり、場合によっては上司自らがその仕事を片付けてしまうことになる。これらの行動は若手社員の成長機会を奪い、依存をさらに深めることになる。
彼らは、情報過多の現代においては、SNSで他者の成功や失敗が手に取るようにわかる。膨大な情報にさらされることで他者と比較し、「どうせ頑張っても無駄だ」という諦めに発展し、仕事に対するモチベーションを低下させる。
会社は、彼らに自主的に動いてほしいと願っているため、中間管理職に指導するよう指示を出す。上司が彼らが無気力である根本的な理由を理解せず、ただ「やる気を出せ」と一方的に命令しても、状況はさらに悪化する。
このような一方的な要求は、彼らの防衛反応を強め、反発を引き起こす可能性が高い。そこで中間管理職は、無気力を責めるのではなく、まずはその背景にある不安に寄り添う必要がある。
マギル大学デソーテル経営大学院のヘンリー・ミンツバーグ教授は、マネージャーの主な活動を「対人関係」「情報伝達」「意思決定」の3つに分類する。さらにそれぞれを担う役割を細分化している。
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