暑さ寒さ、気圧の変化…しんどい「季節バテ」「気象病」はなぜ起きる?気候がもたらす「物理的ストレッサー」に対処するDRICS理論

✎ 1 ✎ 2
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

人間の深部体温は37℃ぐらいです。気温差があっても、私たちの体はその温度をなるべく保って、活動を安定化させよう、保持しようとします。

服と皮膚の間の「衣服内気候」が32℃前後で、なおかつ湿度が50%前後の状態なら、深部体温を37℃くらいに保て、気温のストレスはゼロになります。

ただ、残念ながらなかなかそうもいきません。

自律神経の乱れは「疲労のシグナル」

自分の体温を一定に保つのは自律神経の仕事です。寒ければ毛穴を閉めて発汗を抑えますし、暑かったら毛穴から汗を出して体内の熱を放出します。

いずれも私たちの意思とは関係なく、自律神経が勝手に調節してくれます。ただ、そのときにエネルギーを使うため、自律神経が乱れてきます。

自律神経の乱れはイコール疲労のシグナルです。この状態が続くと人間の体に備わっている3つの制御システム(神経系・内分泌系・免疫系)に影響が出てきてしまいます。

気温変化は、季節によるものだけではありません。夏なら冷房でキンキンに冷えた室内と、外のカンカン照りの室外とでは大きな温度変化があります。

冬も、暖房で暖められた室内から北風吹きすさぶ外に出ると、変化は非常に大きくなります。すると、自律神経はさらに忙しく活動することとなります。

このほか、冬バテは、日照時間が減ったりクリスマスやお正月といったイベントで食生活が乱れたりするのが影響しているといわれます。

秋バテには夏の疲れの蓄積、春バテには入学や入社、異動といった環境の変化が引き金になるといった指摘もあります。

逆にいえば、自律神経を乱れさせないためには可能なかぎり一定を保つのが大切になってきます。

次ページ冷暖房機器、最新グッズで自衛を
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事