最近よくつまずく、よろける…。足腰に不安を覚えた人が鍛えた方がいいのは"手の力"という意外《骨を強くする鍵は"握力"にあった》

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握力を気にする女性
握力の低下、普段から気にかけていますか?(写真:C-geo / PIXTA)
50代を過ぎると「何もないところでつまずく」「突然よろけてヒヤリとする」「手すりがないと階段の上り下りが不安」……。そんなことが増えてきたら、もしかして足腰の衰えのサインかもしれません。
筋肉は、特別に意識して運動や食事をしないかぎり、通常は年齢を重ねるにしたがって減少していきます。骨についても同じ。骨密度が低下して骨が弱くなり、関節の柔軟性や可動域も減少していきます。そんな筋肉と骨がともに衰えることにより、バランスを保つことが難しくなって、つまずいたり転んだりが多くなってくるのです。
本記事では、25年以上にわたり、数えきれないほどの「よくつまずく」「よろけやすい」患者さんと会ってきた、という往診専門の整形外科医・古賀昭義さんの著書『「よくつまずく」「よろけやすい」人のお助けBOOK』より一部を抜粋し、骨折や転倒のリスクを減らす握力強化の方法などをご紹介します。

なぜ歳をとると歩きづらくなるのか?

人は足腰が弱ってくると、どんなことができなくなるのでしょうか?長く歩けなくなったり、階段を上るのがつらくなったり、ちょっとしたものにつまずいたり滑ったりして転びそうになったり……。

そうして自分で歩けなくなってくると人の手を借りなければならなくなり、ついには車いす、そして寝たきりにつながって、体の機能全体が徐々に弱っていきます。そうした寝たきりや介護が必要になった高齢者の原因の多くを占めるのが、運動器症候群、すなわちロコモティブシンドローム(ロコモ)です。

このロコモの原因は大きく分けると2つあります。

1. 活動量の減少による筋力・バランス力の低下

通常、筋力やバランス力は日頃から体を動かすことによって維持されています。したがって、外出する機会や家事をする頻度が減れば、少しずつ活動量が減ります。活動量の減少に伴って足腰の衰えを自覚するようになると、自分の体力に自信がなくなり、転ばないように活動の機会を減らそうとします。その結果、さらなる活動量の減少につながって悪循環となり、いつの間にか歩くことすらおぼつかないほど足腰が弱くなってしまうのです。

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