石川:社長の言葉をどう咀嚼して、「この言葉はこういう意味だと私はこうとらえました」と言えるのか言えないのかが大事だと思いますね。
常見:経営陣って、自分の言葉が届いたかどうかすごく不安になるんですよ。意識高いアピールを僕もやっていたことがあります。僕はあるとき経営企画担当役員の講話を聞いて、すごく良いことを言っていて響いたので、A4で2枚くらいの感想メールを送ったんですよ。そうしたら、飯食わないかと浅草の小料理屋で大接待を受けました。そのとき「これはチャンスだ」と思って、意識高く20枚の企画書を書いて行ったんです。びっくりしたのが、「君ね、すごく良いことを言ってくれた。あれをファイルでよこせ」と言われたんですよ。その後、社内改革プロジェクトのメンバーに最若手の一人として抜擢されました。いやあ、意識高い。
石川:今みたいなことを社内でやっている人がいるって聞いたら、「なんだよあいつやり手だな」とネガティブにとらえられる人もいるかもわからないですけど、起業家だったら当たり前ですよね。あるパーティー会場で楽天の三木谷浩史さん(会長兼社長)と会ったら、その気があれば、すり寄って行って何か話しますよね。それと社内企業家も同じだと思うんですよ。
常見:そう、起業家同士のパーティーであの手の人たちがいたら、5秒間でも10秒間でも名刺交換のときにプレゼンしたりするし。
起業家マインドで大事なこと、“納得させるセンス”
石川:今日どんなメッセージを伝えたいのかという話を常見さんと話をしたときに、会社の中で雇われていると思って働くのか、ここは自分が使えるフィールドだと思って働くのかで随分違うと思うんですけど、自分がこの場を使って何かをやってやろうというふうに思うのであれば、当然その中にある資源は全部使いたくなるはずなので。もちろん権力を持っている部長なり取締役には、やっぱりとりに行くし、その人がやりたいということがあったら何か手伝ってあげることもあると思うし。
常見:社内資源探しって面白いなと思います。社内起業しなくても、自分の思いどおりの異動を勝ち取るとか、あるいは自分の担当している案件で今までの起点に引っかかりそうな新しい取り組みを通すときには、上の人に対してプレゼンするってすごく大事ですよね。
石川:「この話をするんだったら、この人のこの文脈の中から上げていったほうがいいかな」とか、
そうじゃなくて「あえて技術のこと人から上げていったほうがいいかな」とか、これって起業家も同じようにやるはずなんですよね。まず流通チャネルをおさえてから何かやろうという人もいるかもわからないし、ある人はメディアをおさえてからやろうという人もいるかもわからないし。同じ話で、起業家マインドがあったら、結構動き方が変わってくるかなと思いますね。
常見:起業家マインドって、投資家を納得させるかどうかとか、従業員や取引先、社会を納得させるかというセンスがすごく大事ですよね。
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