常見:僕がいたときも、徐々に「オーナー役員制」みたいになっていったんですね。役員たちが、「今回僕はこんな案件を募集する。たとえばブライダル領域で言うと、情報誌ではなく、婚活事業のアイデアをくれ」みたいな。
石川:あれは結構役員の人気投票みたいになってくるんですよね。これも、いろんな会社に「変えるんだったらここまで変えたらどうですか?」っていってもなかなか受け入れてもらえないんですけど。役員にプレゼンすると、だいたい文句言うんですよ。大きな絵を書いていくと、各論が詰まっていないって言われるんですよね。
各論がつまった具体的な話で行くと、絵が小さいって。どっちにしろあんまりほめられることはない。頭にくるわけですよ。いつも文句を言うので、「じゃあ、あなたはどういう新規事業がいいと思っているんですか?」という問いかけをするわけですね。僕らの当時でいうと、社内広報誌の中で「僕はリクルートでこういう新規事業をやっていくべきだと思うので、そういうものがあったら、僕のところに持って来てくれ」っていう、私情公募をやったことがあります。そうするとどういうことが起こるかというと、提案が集まらない役員が出てくるわけです。
常見:あー(笑)。
石川:みなさんも会社の中にいるとわかるじゃないですか。この人は、言ったら本当にやる人・言ってるけど結局やらない人はだいたい見分けがついていると思うんです。
常見:たしかに、ペンペン草が生えないくらい芽を摘んでいく役員っていますよね。そういう人はリストラとかコスト削減を担当するとすごくうまいんですけど(笑)。
石川:役割分担ですよね。
新規事業コンテスト以外にも、社内起業の方法はある
常見:社内起業コンテスト事務局は、どんな点で悩んでいますか?
石川:まず、「やってみたけど、案件が集まらない」というところで悩む会社があって。さらに、「集まったんだけど、レベルが低い」っていうのがあって。「ある程度上まで行ったんだけど、事業化できない」っていう、だいたい3つくらいの壁にぶつかりますよね。
常見:なるほど。
石川:それもいろんな理由があって、いちばんよくない例でいうと、経営者が「みなさんの自由な発想を期待しております」って言う(笑)。
常見:だはは(笑)。いきなりそう言われると気持ち悪い(笑)。
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