常見:それは嗅覚がありますね。単に新規事業提案制度を始めるだけではだめで、こういう、可能性にかける風土、面白いそうなことへの嗅覚、新しいことが好きであることなどが根本的に大事だと思いますね。
なぜ、社内起業が必要か?
常見:そもそも論で考えたいことがあって、「なぜ企業には新規事業が必要なのか」、さらに言うと、「起業っていうやり方もあるんだけど、なぜ社内起業なのか」という議論です。
石川:基本的には自分の事業環境に合わせていくということだと思うんですよね。市場は絶えず変わっているし、その都度合わせていかなければならないので、微修正で済むときには、既存事業を少しずつでも改善すりゃあいいと思うんですけど、何かのときにパーンと変わってしまったら、たとえば、今まで普通に流通していたものがインターネットに変わってしまうとか、その瞬間に、それはもう変わらなきゃしょうがないので、そのために新しい事業を時代に合わせて作っていくっていうことなんでしょうね。
常見:そうですよね。環境が変化していくから、そこの中で次をどうするんだと次の柱を立てていく。社内起業というのは、それならではの面白さ、および醍醐味があるんですよね。社内起業ならではのメリットと難しいところってあると思っていて、会社辞めなくても新しいことができるっていうのは大きなメリットですけれども、なんせ社内で新しいことをやるやら、既存事業との重なり、カニバリゼーションとか、そういったものもありますよね。
石川:あと、僕が独立・起業と違うなと思うことのひとつが、お金を引っ張ろうとするときって、銀行の人は社会的意義があるかないかっていうのを一応聞きますけど、極論を言えば利子をつけてお金を返してくれればいいんですよね。だけど、会社の中でやるときって、儲かりゃなんでもやるっていう会社はあんまり多くないので、どう意義があるのかとか、ウチらしいかとか、なんでウチが取り組むかっていうことが、プラスαで必要だったりするので、そこは大きな違いかもしれないですね。
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