「宿題しない」「ゲームばかり」…子育ての悩みを根本から解決する"3階層モデル"とは?"声かけテクニック"には限界がある納得の理由

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親自身の心のOS(思考の前提や心理状態)にアプローチする第2階層、さらには価値観・哲学のレベルで子育てを再構築する第3階層があって、初めてこの第1階層のソフトも本来の力を発揮するのです。

【第2階層】心理学や脳科学的な「OSのアップデート」

ここで必要になるのが、親自身の「OS」――つまり、物事の捉え方や心のクセ、思考のパターンを見直すことです。これが第2階層です。

私たちは無意識のうちに、自分なりの「子育て持論」を持っています。それは自分が育てられた環境や、社会から受けた刷り込み、周囲の評価への不安などから形作られています。

たとえば、

・「子どもをきちんと育てないと親失格だ」という思い込み
・「早くしなさい=良い親」という刷り込み
・「子どもの行動=自分の評価」という無意識の不安
・「ほかの子と比べて劣っているのは親のせい」という罪悪感
・「完璧でなければならない」という強迫観念

こうした“前提”に自分自身が縛られていると、いくら表面的なスキルを学んでも、本質的な変化にはつながりません。心の奥底で「でも本当は早くしてほしい」「やっぱり言うことを聞いてほしい」と思っているからです。

本質的な変化をするために

心理学や脳科学では、こうした「親の思考パターン」や「感情のトリガー」に注目し、それを“書き換える”ことが重要だとされています。

この階層では、以下のようなアプローチが効果的です。

①自己肯定感や自己受容を高める→「完璧でない自分もOK」と受け入れる

②認知のクセを客観視する→「なぜイライラするのか」その仕組みを理解する

③子どもの行動に自分の感情が揺さぶられない“仕組み”を理解する→反応ではなく、選択的に対応できるようになる

④過去の体験を整理する→自分の子ども時代の経験が今の子育てにどう影響しているかを知る

このような作業をすることで、OSをアップデートできます。たとえば「また反抗された!」とイライラしていたことが、「この子は今、自分の意思を試しているのかも」「成長の証拠なんだな」と捉え直せるようになります。すると、感情に振り回されなくなり、第1階層のスキルもより効果的に使えるようになるのです。

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