「宿題しない」「ゲームばかり」…子育ての悩みを根本から解決する"3階層モデル"とは?"声かけテクニック"には限界がある納得の理由

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【第1階層】教育分野が扱うスキルや声かけ

まず多くの人が始めに行うのが第1階層レベルの対応です。日常的な声かけの工夫や対応スキル、教育的技法など、次のような内容はこのレベルに当たります。

・志望校に合格するためのノウハウ
・片付けの方法
・宿題のやり方
・スケジュールの作り方
・英語の勉強方法
・算数が好きになる方法
・定期テストで点数を取る方法
・イヤイヤ期の過ごし方
・思考力の高め方

これらはすべて、ある種の“やり方”や“テクニック”に関するものです。書籍、セミナー、YouTube、SNSなど、子育て、教育情報として世の中に最も多く出回っています。

たとえば「子どもが片付けをしない」と悩んでいる親に向けては、「片付けを習慣化するための5つの工夫」といった形で具体的な声かけや環境の整え方が紹介されます。あるいは「イヤイヤ期の子どもには、○○と言うと気持ちが落ち着く」といったコミュニケーションのコツが解説されたりします。

こうした情報は、親にとってすぐに使える“便利なツール”ですし、「何をすればいいかわからない」という不安を一時的にやわらげる効果もあります。

“OS”をアップデートする

確かに、子どもとの関係が大きく改善したり、学習習慣がついたりするケースもあります。しかし一方で、この階層のことをどれだけ学び、試してみても、「うまくいかない」「続かない」「効かない」という声の方が圧倒的多数なのです。

その理由は、“OS(親自身の思考の前提や心の状態)”が古いままだからです。

つまり、「言い方」を変えても、その奥にある親の「不安」や「焦り」「コントロールしたい欲求」がそのままであれば、子どもは“本質”を見抜いて反応しなくなっていくからです。だからこそ、第1階層だけでは、子育ての悩みは根本的には解決しないのです。

ここが最も重要なポイントです。

「これを言えばいい」「この方法を使えばいい」といった表面的な工夫だけでは、すぐに限界が来ます。

もちろん、知識やスキルは必要です。ですが、それはあくまで“入り口”であり、“本質”ではないのです。

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