「この新商品じゃダメだ。組み立て時間をあと2秒短くしよう」と侃々諤々…再攻勢へ「ドミノ・ピザ」新商品の開発で生じた"課題"

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なぜここまで変更を続けるのか。変更が多いと、「あ、これ変わっちゃったのか」とマイナスに捉えるファンもいるはずで、一見、消費者に優しくない気もするが……。

しかし、その姿勢にこそ、ドミノが長年業界トップを走ってこられた秘密が隠されている。そして、アフターコロナの苦境からの再生の力にもつながっている。

「約20分で熱々」を支える、秒単位のオペレーション改革

今日のピザBENTOに至るまでの、変更に次ぐ変更。

それは、顧客に見えないところでも行われている。

たとえば、従来のピザから単身者向けの約18cm、約15cmのピザに変更するには、「オペレーション改革」が必要だった。理由は、「ピザを約20分で届けるため」だ。

ドミノ・ピザ ピザBENTO
+150円でドリンクも付けられる(筆者撮影)

ドミノは2018年に、「ご注文からデリバリー、たった20分で完了させる」という宅配ピザ業界初の革新的なサービスを提供していた。そこから、現在は約20分を目安にしている。

「ピザは熱々が一番おいしい。早く届けることは、おいしいピザを提供することだからです。私たちは、それをなにより大切にしています」とドミノ・ピザ ジャパンのCOO マーティン・スティーンクスさんは強調する。

けれど、約20分で熱々のピザを宅配するのは簡単ではない。その裏には、「秒単位」のタイムロス削減の工夫がある。

まず、配達エリアは固定せず、そこに住む世帯数によって変更。世帯数が少なければ広く、多ければ狭くする。宅配数が増えることで宅配時間を延ばさないために、2020年6月からは、業界に先駆けて「お持ち帰り半額™」も打ち出した。

ドミノ・ピザ
デリバリーではなく受け取りに行けば半額となる「お持ち帰り半額™」の戦略は、2020年当時、かなり画期的だった(筆者撮影)
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