年をとることは避けられないが、認知症は避けられる。4000人以上の認知症患者を診てきた精神科医が提唱する「8つの予防法」
どうしても使い方がわからないという場合は、パソコン教室、スマホ教室に通ってみることも考えましょう。ITはやり方を覚えてしまえばこっちのものなので、多少面倒だと思っても頑張ってみることをおすすめします。
ただし、夢中になるあまり、体調を崩してしまわないように注意してください。ネットの世界は熱中しやすいので、時間を限って楽しむのがよいでしょう。
■ストレスを書き出す
認知症予防を考えるとき、ストレスはとても重要な要素です。
ストレスがかかると脳内の海馬という部位が傷つき、萎縮してしまいます。海馬は記憶をつかさどる部位です。新しい記憶を整理整頓しているところなので、ダメージを受けてうまく機能しなくなると、新しいことが覚えられなくなるのです。
認知症による記憶障害は、海馬の萎縮も原因の1つなので、できるだけダメージは防ぎたいところです。
ストレスが引き起こすイライラや怒りを鎮める方法はいくつかあります。たとえば、深呼吸やコップ1杯の水を飲むことなどは、代表的な興奮の鎮め方です。
どうしてもむしゃくしゃして、いら立ってしかたがないというときは、いま、自分の中にある感情を書き出すことをおすすめします。書くことで解決するわけではありませんが、ストレスの原因と距離を置くことができるのです。
ストレスの種を客観視する
イライラの原因がいくつもあって頭が混乱していたとしても、いったん全部書き出し、読み返してみると、何が解決できて、何ができないのかを客観視できるようになります。そうすると、ストレスの種がはっきりと見えてくるのです。それだけで、ある程度気分が落ち着いて安定しますから、結果的にストレスを軽減することに成功するというわけです。
人に読ませるものではないので、思いつくまま、でもできるだけ詳しく書き出すといいでしょう。
■受験勉強で記銘力復活
認知症のもの忘れは、医学的には「記銘力障害」と呼ばれます。記銘力とは、新しく体験したことを覚えて保持する能力のことです。
私たちの記銘力は若い頃に比べ、確かに落ちているかもしれません。でも、完全に失われるわけではないのです。トレーニング次第で一定レベルの記銘力を維持することは不可能ではありません。
記銘力の維持にもっとも必要なことは「反復」です。「記銘→再認→再生」というサイクルを反復することが重要だとされています。
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