年をとることは避けられないが、認知症は避けられる。4000人以上の認知症患者を診てきた精神科医が提唱する「8つの予防法」

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とはいえ、ひとりぼっちで友達もいない。誰も話し相手がいないという人も多いかと思います。その場合、ボランティアはいかがでしょうか。

アメリカにあるジョンズ・ホプキンズ大学の研究によると、学生と共にボランティア活動をした高齢者は、そうではない高齢者に比べて認知機能が改善したのだそうです。

ボランティア活動ならば、会話の機会もできますし、あなたの人生経験を生かすこともできます。認知症予防からだったとしても、さびしさを紛らわす手段からだったとしても、意義のあることで、おすすめできます。

■スマホに興じる不良老人になろう

パソコンやスマホに触れ、未知の体験をすることは非常に効果的です。

2015年、アメリカ神経学会の公式学会誌『Neurology』に興味深い研究結果が発表されました。それによると、中高年になってから「何かを新しく始めた人」は認知症になりにくいというのです。

つまり、パソコンやスマホで、ネットゲームやネットサーフィンに興じるちょっと不良の老人のほうが、認知症のリスクが低いということがわかったのです。これは素晴らしい。活用しない手はありません。

まずは、スマホを手元に用意してください。夕食の写真を撮り、写真を投稿するSNS「インスタグラム」に「今日の夕ご飯」などとタイトルをつけて、写真を載せてみるのはいかがでしょうか。

人に見られているという意識

実際、「ボケ防止」目的でインスタグラムを始めた人を知っています。人に見られているという意識もあってか、これまでの食事よりも多少頑張って作ったり、見映えも気にするようになると、食事にも張り合いが出るようです。

スマホからインターネットに接続すれば、これまで知らなかった情報を得ることができます。まさに「未体験ゾーン」の入り口です。掌の上から始まる新しい体験だなんて、未来的だと思いませんか。

冒険のワクワク感は脳を活性化してくれます。どんな楽しいことが起きるのか期待してITを覚えてください。一歩踏み出せば、素敵な「何か」が無限に待っているのです。

何から手をつけたらいいのか思いつかないという人は「ネットサーフィン」がいいでしょう。パソコンでもスマホでも簡単なほうでかまいません。いまではネットを使うとあらゆる調べものができることを学ぶことができます。

「子どもの頃に住んでいた街は、いまどうなっているんだろう」「小学校の時に仲の良かった石井君は、いま何をやっているのかな」

なんでもいいので、ネットで調べてみましょう。世の中は自分が知らないことばかりだということに気づかされることと思います。ふとした疑問を調べる癖がついたら、ネットサーフィンをルーティン化して、日常に取り入れるといいですね。

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