「ダニが増えにくい家」の秘密――攻略するのは暑さより湿度!プロが伝える「本当に怖いのはダニではなく…」の深い意味とは?
床を使うノズルでかけてもいいが、清潔面で不安があるだろう。その場合は布団専用のノズルを使うといい。そのほうが動かしやすいというメリットもある。
ダニを死滅させるには、布団乾燥機が有効だ。50℃以上かつ30分以上の設定で使う(「ダニ対策モード」があれば、それでOK)。その後、先に挙げた要領で掃除機をかけて、死骸を吸い取っておく。
では、布団干しはどうか。
「ダニにとって不快な環境は50℃以上の温度と、50%以下の湿度。晴れた日に布団を干して、湿気を取るのもいいでしょう」(荻野さん)
近年はベランダに布団を干せないマンションもあるが、その場合は室内で専用のハンガーに布団をかけるだけでもいいという。大事なのは、布団の下に空気を通す空間を作ることだという。
取り込む前に布団を叩くのはNGだ。「叩くと布団の中でダニの死骸やフンが粉砕されてしまうため」(荻野さん)だという。布団を干したあとは、やはり布団の両面に掃除機をかけて、死骸やフンを除去しよう。
ベッドのマットレスは洗うことはできないため、気になる場合はやはり掃除機をかけよう。ただ、荻野さんによると、マットレスのスプリングは空洞が多いので、アレルゲンが出現する可能性は布団に比べて少ないそうだ。また、マットレスの上に布団を敷いている場合は、マットレスは肌に直接触れないので、それほど神経質に考えなくていいという。
以上の対策でダニを取り除いたあとに、荻野さんが推奨するのは、ダニが入ってくるのを阻止する高密度織物の「防ダニカバー」や、「防ダニシーツ」の使用だ。
「ただ、これらは繊維が密になっていて肌触りが良くないので、これらをかけたうえに普段使っている布団カバーやシーツをかけることをお勧めしています」(荻野さん)
生きているダニは掃除機で吸えない?
②カーペット・じゅうたん
続いて、カーペットやじゅうたんでのポイントを紹介しよう。
カーペットやじゅうたんは基本的に洗濯できない(クリーニング店では対応しているところもある)ので、こまめに掃除機をかけるしかない。
毛足の長いラグやカーペットの場合、生きているダニは繊維にしがみつき、掃除機ではほとんど吸い取れないため、毛足の流れに逆らった方向にかけるようにする。そうすることで、奥まで入り込んだホコリやダニのフン、死骸を吸い込むことができるという。
布団のときと同様、ゆっくりかけるほど効果的。目安は1平方メートルにつき20秒以上。特に部屋の出入り口付近や人が歩くところはホコリや汚れがたまり、ダニが発生しやすいため、重点的に掃除機をかけよう。
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