「冷蔵庫は4つ、ハサミは20本以上」“築90年の古民家”がゴミ屋敷に…なんでもため込む母が亡くなり、ついに《すべてを断捨離した》結果

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娘いわく、母の性格を一言で表すと「女の子」。小さな雑貨が好きで、粘土でつくった小物を知り合いによくプレゼントしていた。庭ではトマトやオクラなどの野菜を育て、ガーデニングも楽しんでいた。季節ごとに花を植え、近所の人たちに「綺麗ね」と言われることをいつも喜んでいた。

そのベランダにある植木はすべて枯れ果てていた。これを片付けるのがまた大変で、土は重く、粉塵が舞う。田舎であれば近くの山に返すこともできるが、都心や住宅街では土を捨てられる場所はそうそうない。自治体によっては少量を袋に入れて「燃えないゴミ」として出せるところもあるが、土をゴミとして出せないところもある。

また、ベランダにあるモノ(植木鉢、シャベル、タイヤなど)は基本的に燃えないゴミであり、処分方法も面倒であることが多い。物置を設置している場合、それも解体して処分しなければならない。ベランダの片付けはとくにハードルが高いのだ。

ゴミ屋敷
ベランダも雑然としており、そのほとんどが捨てるのに苦労しそうなモノばかりだ(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)
ゴミ屋敷
土類も自治体によって処分方法が異なり、注意が必要(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)

片付けようとしない親をどう説得するか

この家のように、いわゆる「生前整理」で親子が揉めるケースは枚挙に暇がない。「イーブイ」代表の二見文直氏の感覚では、子どもが実家を片付けたいと思っている家族のうち8割が、親が亡くなるか施設に入るまで手つかずの状態が続くという。

「この家に住まれていたお母さんは脚が悪く、部屋の様子を見てもほとんど1階だけで生活されていたようでした。なので、お母さんとしては2階にいくらモノが溜まろうと生活の邪魔にはならないんです。しかし、たまに実家を見に来る子どもとしては、そのうち自分が片付けることになることがわかっているので親が生きているうちになんとかしたい。でも、親は『自分が亡くなる準備をしている』と感じてしまうんです」

ゴミ屋敷
「細かいモノだけでも自分たちで」と考えがちだが、それにかかる労力は尋常ではない(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)
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