とくに2階は物置状態になっていて、「どうやって上に運んだの?」というくらいモノであふれ返っている。部屋の入り口までダンボール箱がせり出していて、中に入ることもできない。
リビングを見ると同じモノがいくつもあることに気がつく。前述のように冷蔵庫だけでも4つあるし、ハサミなんて20本以上はある。

イーブイに片付けの依頼をしたのは、この家に住んでいた高齢女性の娘だった。父と母が2人で住んでいたが、13年前に父が亡くなってからは母が1人で暮らしていたという。依頼のきっかけを娘が話す。
「片付けのきっかけはおばあちゃん(母)が亡くなって。死ぬまでは(家の中のモノに)触らんといてくれと言われていたんです。施設に入所してからは、もう帰って来られないだろうと思って自分でちょこちょこ片付けはしていたんですが、散らかる一方でした」
13年前に亡くなった父は、何度か結婚を経験していた。そして、新しい妻を家に迎えるたびに荷物が増えていったのだという。とくに今回亡くなった妻はモノの量が人一倍多かった。


片付けのハードルが高いベランダ
母の生前、娘は「家を片付けよう」と何度も説得をしていた。しかし、「死ぬまでは触らんといてくれ」と毎回言い合いになり、なかば諦めるような形で途中からは何も言わなくなった。
「母は戦争を経験している人だから。お腹を壊さない程度に傷んだものなら食べはるから。私がこの家を出るときに隅から味付け海苔が出てきたんです。もう湿っていたけど、母は『私食べる』って。佃煮にでもしたのかな。几帳面にずっと日記を書いていて、家計簿も1円単位までしっかり書くような人でしたよ」(娘)

無料会員登録はこちら
ログインはこちら