会社が社員に求める資質は何か? その重要な要素のひとつに「成長意欲」があります。仕事における成長意欲とは、仕事上の困難を乗り越えること。やったことのない新しい仕事では、些細な困難から対処に苦慮するような困難まで、さまざま遭遇するものです。
そんなとき、対応策を考え、周囲の支援を受けて、積極的に乗り越えていこうとする姿勢。また、貪欲に知識を吸収して仕事につなげていく姿勢を、成長意欲と会社側はとらえるものです。
こうした成長意欲について、採用HPなどで求める人物像として、「強い成長意欲とそれを支える情熱があること」などと語る経営者のメッセージを頻繁に見受けます。先日取材した製造業の社長も
「当社は成長意欲を製造力の強化につなげています。ゆえに成長意欲の高い人材しか求めていません」
と熱く語っていました。社員がこうしたメッセージを真正面から受け止めれば、「成長意欲があることが社内で成功する要件=出世するための前提条件」と考えるのは当然。ゆえに「成長したい!」気持ちを果敢にアピールする社員を見受けます。
当方はこうした行動を「前のめり感が強い」と呼ぶことにしていますが、これは出世するためには正しい行動なのでしょうか? 今回は「前のめり感」と「成長意欲のアピール」を題材に、その必要性について考えてみたいと思います。
成長意欲の高い人は、将来を嘱望されている?
成長意欲の高い人材=優秀で将来を嘱望されている――と考えている若手社員に遭遇することがあります。
「優秀な社員ほど、成長意欲が高い。この会社であとどのくらい成長できるかとつねに考えているものです」
と語ってくれたのは広告代理店に勤務している20代のDさん。自分自身も成長意欲が高く、その意欲こそが将来を切り開くカギだ、と信じているようにみえました。
ちなみにこの広告代理店は、入社3年目までは人事評価で差をつけません。職場での仕事は先輩社員のお手伝い程度と認識しているからです。Dさんの成長意欲も周囲は評価の対象とは考えていません。はたして、成長意欲は出世につながるのでしょうか?
無料会員登録はこちら
ログインはこちら