人材の業界には、人材不足分野と呼ばれる業界があります。大幅な需要拡大が進む看護、介護、保育といった社会福祉関係や、構造的に入職者が減少傾向にある建設関係などです。
最近、これら分野の問題解決に向けて取り組む国や自治体の施策が目立つようになりました。たとえば、厚生労働省では、平成27年度の新規事業として「人材不足分野における雇用管理改善促進事業(啓発実践コース)」を全国でスタート。中小建設会社における雇用管理改善をすべて無料にてバックアップするとのことです。
10年後には大幅な人手不足に陥る見込み
90年代以降、長期にわたって建設投資が減少したのに伴い、技能労働者間の競争は激化し、就労環境も悪化しました。ところが東日本大震災の復興需要、東京オリンピック・パラリンピック開催などによって建設投資は増加し、建設業の人材確保・育成の必要が増加。国土交通省・厚生労働省が連携して取り組みや検討を行うようになりました。
ちなみに足りない労働人口は50万人以上。さらに60歳以上の建設技能労働者等は現在、約50万人。建設労働者全体の20%に上り、10年後には大半が引退します。今後、100万人以上の人手不足にまで深刻化する見込みです。
また、2025年に大幅な人手不足が予想されているのが介護業界。厚生労働省の推計によると、必要とされる介護人材は253万人。それに対してこれからさまざまな施策によって実際に供給できる人材は215.2万人。つまり、37.7万人の人材が不足することになります。
介護業界における人手不足は高齢化が進む日本にとって大きな問題です。この分野では行政だけでなく民間企業による取り組みも増えています。たとえば、介護業界の人材不足を解消するために、講談社の漫画『ヘルプマン!』とリクルートキャリアがタッグを組んでスタートしたプロジェクト『HELPMAN JAPAN』があります。
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