下馬評どおり、自民党大勝に終わった今回の選挙。株価、企業業績とも安定基調が期待され、年末を穏やかな気持ちで迎えられそうな人も多いのではないでしょうか(もちろん、これで明るい未来が約束されたかというと別ですが)。
ただ、そんな状況に冷や水を浴びせかねない問題がひとつあります。それは人手不足。しかも正社員の人手不足です。
某政党は、非正社員ばかりが増えていると主張していましたが、2014年度から正社員の求人が大幅に増加傾向に転換。非正社員を選ぶ人も「正規の職員・従業員の仕事がないから」ではなく、「自分の都合のよい時間に働きたいから」と個人の志向に合わせてのワークスタイルが選べるようになりつつあるようです。
企業が必要としている正社員の求人に比べて、求職者が足りない状況がやってきたのです。何回か本連載でも人手不足に関するテーマで記事を書いてきましたが、正社員が足りない人手不足状態になると、職場ではいったい何が起きるでしょうか?
今年こそは数字のカラクリではない?
ここで、正社員の人手不足について補足しておきます。2013年末、有効求人倍率は1.0倍を超えました。ちなみに厚生労働省「職業安定業務統計」によると、求人倍率が1.0倍を超えたのは過去50年で高度成長期、バブル経済期、リーマンショック直前の好況期などの期間だけ。そこで人材市場が沸騰したかのように報道がなされました。
ただ、この数値には少々のカラクリがあります。実はこの数字は、非正社員を含む求人数だったのです。正社員だけでカウントすれば、2013年は0.5倍を少々超える程度であり、求人数はリーマンショック前を超えるまでには至っていません。
《景気回復の実感がない。給料も増えないし、どうなっているのだろうか?》
と正社員の人たちは疑問に感じていたはず。でも、それはある意味でもっともなことだったのです。
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