ただ、2014年には正社員の求人数が急激に上昇しています。2015年度にはバブル期に近い正社員の人手不足状態になる可能性が出てきました。実態は、少々、時差をもって変化していたのです。ゆえに、企業は賃金を上げることにも躊躇していたのかもしれません。来年以降の賃金上昇を大いに期待したいものです。
中小企業から聞こえる「ぜいたく言うな」の声
さて、正社員の人手不足が起きたら、職場はどうなるかという話に戻りましょう。まずは、みなさんの勤務する会社が大企業か、中小企業かで状況は違うでしょう。まず大企業の職場では、正社員の人手不足で現場が逼迫することはないでしょう。資金と認知度に物を言わせて力技で採用することができるからです。たとえば、
・人材紹介会社に支払う手数料を引き上げた
・採用説明会を頻繁に行うための人事部員の増強
など、採用コスト(人件費含む)を大幅に増強して、なんとか必要人員を確保するに違いありません。
もちろん、採用できる人材のレベルが落ちている……と不満を漏らす声は耳にしますが、中小企業からすれば「ぜいたく言うな」と言いたい状況ではないでしょうか。
ただ、中小企業は簡単ではありません。厚生労働省の調査によると、大企業と中小企業では正社員の充足率(企業側から見た、人を採用することができる可能性)で3倍以上の格差があります。いざ、正社員を採ろうとしても、優秀な人材は大企業に流れていきます。求人サイトに掲載しても応募はゼロだし、人材紹介会社に紹介を依頼してもなしのつぶて。
「このままでは、現場の社員が倒れてしまう」
と差し迫った状況に陥る会社も出てくるかもしれません。
最近のワークス研究所による調査では、中小企業で3社に1社は必要な人材確保が慢性的にできない状況が続いているとのこと。では、そんな慢性的な人材不足を解決するにはどうしたらいいのか?
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