「40歳以上の転職は難しい」は果たして本当か 今の会社でいつまで働き続けますか

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40歳は人生の中間点。行くかとどまるか(写真:xiangtao/PIXTA)

6月中旬、業績不振に苦しむシャープの労働組合が、会社側から提案されていたリストラ案に合意しました。シャープと国内連結子会社で、45~59歳の社員約3500人が、希望退職の対象となります。7月下旬から8月上旬にかけて募集し、退職日は9月末になるようです。

希望退職者には割増退職金が支払われますが、つらい選択になるケースのほうがおそらく多いでしょう。当事者ではないビジネスパーソンにとっても、決して他人ごとではないと切実に感じるニュースと言えます。筆者が担当する大学の講義でも社会人ニュースの話題として取り上げ、学生に議論をしてもらいました。彼らのすぐそこにある未来で直面する「働き方」に大いに影響する事案だったからです。

日本の企業社会で、長らく定説だった「転職35歳限界説」は、世界で最も早く進行する少子高齢化と、それに伴う人口動態の変化によって崩れてきていますが、それでも40歳を超える転職はハードルが高いと、一般的に考えられています。

はたしてそうでしょうか。

40歳を過ぎても、まだ働く時間は20年以上ある

定年が65歳までとなって、40歳を過ぎても今までの20年よりも多い「働く時間」が待っています。地域の中小企業や海外の企業では、日本の大企業の中で培った経験や能力を求める企業が多くあります。

厚生労働省は6月中旬、大企業から中小企業に転じる人を受け容れる中小企業を対象にする「労働移動支援助成金」の適用範囲を拡大するという方針を発表しました。2016年度から適用されるとのことです。以前は「リストラなどにより」という理由が限定されていた部分をなくし、大企業から中小企業への雇用の流動化を促進する狙いがあります。

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