6月から7月にかけてのこの時期は、多くの企業や役所で夏のボーナス(賞与、一時金)が支給されるタイミングだ。
説明するまでもない話ながら、原則として毎月の給料に、夏と冬の年2回(企業によってはこの限りではないケースもある)の賞与を加えた数字が年収となる。自分の年収は胸に手を当てればわかるが、他人の年収となるとなかなかわからない。どんな企業でどれくらいの年収を貰っているのだろうか。ビジネスパーソンの多くが気にするところだ。
東洋経済オンラインは、これまで年収の高い会社のランキングをさまざま作成・掲載してきた。今回は、いつもとは逆に「平均年収が高くない」会社のランキングを作成した。企業や読者の一部から「トップ500でランキングをすると、まるで500位が低いように見える」「給料の高い会社ばかりではなく、高くない会社の情報も知りたい」という指摘があり、それに応える意図もある。
年収400万円未満の上場企業は214社
東洋経済が発行する『会社四季報』夏号(発売中)に掲載している全上場企業約3600社のデータから、下位500社の平均年収をランキングとしてまとめた。参考データとして単体従業員数や業種も記載。平均給与の公開にかかわる基準は必ずしも一定ではないものの、上場企業であっても平均年収が300万円を切る会社は8社。400万円未満でみても214社ある。
利益率の高くない事業を手掛けていたり、業績が苦しかったりと平均年収が高くない会社の事情はそれぞれだ。地方の会社または、本社は大都市でも活動の主要拠点を地方に置いている会社も少なくない。ただ、地方の場合は給与が大都市より低くても、家賃や食料費などの物価が安く、生活水準をみるとそれほど悪くないケースも少なくない。
上場企業の多くが有価証券報告書などに平均年収と平均年齢を公開している。会社四季報夏号で従業員の平均年収を記載していたのは3266社。上場企業の約9割となる。それを単純平均すると585万円。必ずしも世間一般とは一致しないものの、目安になるだろう。最高はM&Aキャピタルパートナーズの1947万円。一般的に“大台”と称される1000万円超は39社。全体の1%強しかいない。
平均年収を見る際は、平均年齢もおさえておくことが重要だ。また、年収の積み上げが「生涯給料」となる。その点で、東洋経済オンラインでは「40歳推計年収」「30歳推計年収」のランキングも過去に作成しているので、併せて参照いただきたい。会社や業種・業態を平均年収の上位だけでなく、下位にも目を向けてみることで就職活動中または来年以降に就活を控える学生、あるいは転職を考えている社会人などにとっても目安となるだろう。