来週から6月。多くの企業や役所で夏のボーナス(賞与、一時金)が支給される時期だ。円安の恩恵やアベノミクスに伴う景気回復によって、多くの日本企業で業績は好調。この夏のボーナスをはずむ会社も少なくないだろう。
説明するまでもない話だが、毎月の給料に、夏と冬の年2回の賞与を加えた数字が年収。ボーナスが多ければ、その年の年収も大きくなる。では、実際にどんな企業でどれくらいの年収を貰っているのだろうか。東洋経済オンラインは『会社四季報』編集部と協力して、会社四季報春号(発売中、夏号は6月12日<金>発売)に掲載している全上場企業約3500社のデータから、上位500社の平均年収をランキングとしてまとめた。
純粋持ち株会社は、グループ企業の管理を担う特性上、経験豊富な従業員が集まる場合が多い。そのため、事業子会社に比べて数値は上振れる傾向にある(社名の横に「(純)」とあるのが、該当企業)。また、主要事業子会社が有価証券報告書を提出している場合、より実態に即したランキングとなるよう、子会社のデータを採用した(社名の横に「(子)」とあるのが、当該企業)
1位の平均年収は2000万目前
1位はM&A仲介事業を展開するM&Aキャピタルパートナーズ。平均年収はなんと1947万円。2005年10月設立で平均年齢は29.9歳と、会社だけでなく従業員の若さも際立つ。2位のフジ・メディア・ホールディングスは1506万円。傘下にフジテレビジョンを持つ純粋持ち株会社だ。
続く3位はTBSホールディングスで1499万円。ただ、平均年齢は51.3歳と、1位のM&Aキャピタルパートナーズにくらべると20歳以上の開きがある。平均年収を見る際は、平均年齢もおさえておくことが重要だ。また、年収の積み上げが「生涯給料」となる。その点で、東洋経済オンラインでは「40歳推計年収」「30歳推計年収」のランキングを過去に作成しているので、併せて参照いただきたい。
以下、上位を見ていくと、朝日放送(4位・1479万円)や日本テレビホールディングス(5位・1454万円)といったテレビや、総合商社の伊藤忠商事(9位・1384万円)、三菱商事(10位・1355万円)など、“高給”の代名詞的存在の社名が並ぶ。三井住友トラスト・ホールディングス(22位・1174万円)や損保ジャパン日本興亜ホールディングス(23位・1172万円)、大和証券グループ本社(25位・1152万円)などの金融系純粋持ち株会社も多い。
ちなみに、一般的に“大台”と称される1000万円を超えたのは53社。これらの企業は全社の単純平均581万円と比べても相当な高給だといえるだろう。
一方、今回は上位企業のランキングのみだが、下位に目を向けると年収300万円を下回る会社も11社存在する。平均年収は平均年齢や、業種・規模によって開きが生じるものだが、 “上場企業”とひとくくりでは言い表せない格差があるのも実際のようだ。