初公開!「役員報酬が多い」500社ランキング 平均で1億円以上もらえる23社はここだ

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(撮影:大隅 智洋)

欧米の大企業では高額な役員報酬が根深い問題として横たわる一方、日本企業の役員報酬は欧米ほどケタ違いではないと言われる。実際のところはどうなのだろうか。かつてに比べると、日本でも外国人社長やプロ経営者がトップに就任する例も増え、高額な報酬をもらうケースも出てきている。年1億円以上の役員報酬を得ている上場企業の役員は、その事実を有価証券報告書への記載で開示する義務がある。

そこで東洋経済オンラインは、上場企業の役員がどれぐらいの報酬を得ているのかを独自に調査。「役員平均年収」として試算し、トップ500社をランキングした。直近本決算の有価証券報告書で開示されている、「取締役の報酬」または委員会設置会社で示されている「執行役報酬」の合計額を、取締役と執行役の人数で割って算出した数値だ。基本報酬のほかに、退職金やストックオプションの額なども含まれた総額を用いた。従業員の平均年収とともに、それが役員とどれぐらいの差があるのか倍率なども併載した。

ランキング1位は音楽レーベルのエイベックス。役員平均年収は2億4620万円だ。社長でCEOの松浦勝人氏の役員報酬が4億6100万円。取締役のうち4人が1億円以上の収入となっている。同社の役員報酬は、基本報酬と株式報酬型ストックオプションに加えて、業績連動報酬(利益連動給与)で構成されている。

エイベックスは業績連動部分が大きい

約3年前に固定された報酬の割合を減らし業績連動の割合を増やして、取締役がより責務を果たせる制度とした。エイベックスの有価証券報告書の「役員の報酬等」の欄には、業績連動報酬の算定方法が詳細に記載されており「機関投資家と話をすると、ここまで踏み込んで書いている会社はなかなかないと評価されている」(エイベックス・グループ・ホールディングスの経営戦略本部経営企画部統括部長・畑本誠一氏)。

2014年3月期は過去最高益を更新した前年と比べると減益だったものの、純利益は67億円を稼ぎ出した。松浦勝人社長の賞与2億0600万円を含め、対象となる役員5人の取締役の賞与総額は5億8700万円。役員5名の報酬等の総額は12億3100万円のため、約5割が業績連動給与からなっている。ちなみに、2014年3月末時点で対象となっている役員5人のうち、4人が代表取締役だ。

会社側は「透明性の高い役員報酬制度を採用している」と強調する。「設置している報酬委員会のメンバー3人のうち、委員長とそのほか1人を社外取締役としており、過半数を外部が占める。独立性の高い報酬委員会で外部の客観的な視点を取り入れている」(畑本氏)。

ランキング2位のFA・金型部品の専門商社、ミスミグループ本社の役員平均年収は2億4383億円。代表取締役の三枝匡氏がCEOを退任したのを伴う退職慰労金を受けるなどし、9億円の役員報酬を得たのが大きいが、三枝氏を含めて1億円以上の収入を得た取締役も3人いた。

3位ファーストリテイリングや4位スターバックス コーヒー ジャパン、5位カシオ計算機などの顔ぶれを見ると、カリスマ経営者や同族系企業の役員報酬は高めに出る傾向があるようだ。ファーストリテイリングの社内役員は代表取締役の柳井正氏だけで報酬は2億4000万円。高い報酬を得ているリーダーは、オーナー社長や外国人社長が多く、リスクをとって得られた正当な対価だといえる面もある。

日本企業の高額報酬で有名なのは日産自動車のカルロス・ゴーンCEOだろう。その日産役員の報酬は平均すると2億1300万円で6位だ。カルロス・ゴーンCEOの報酬は9億9500万円。ゴーンCEOを含め、5人が1億円以上の報酬を得ている。一方、世界トップクラスの自動車メーカーであるトヨタ自動車の平均役員年収は8194万円で、ランキングでは46位となっている。豊田章男氏の報酬額は2億3000万円だった。 

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