「40歳以上の転職は難しい」は果たして本当か 今の会社でいつまで働き続けますか

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受入企業には賃金助成や訓練経費助成として、1人あたりの助成金額が定められており、1年度1事業所あたり5000万円を上限として支給されます。実効性はともかくとして、4割が人手不足に悩んでいる中小企業は、こうした制度の活用により、自社の人材不足を補うチャンスが生まれます。大企業での能力や経験を得た人材が中小企業で求められているのです。

大企業で「今の職場にとどまり続けるしかない」と思っている読者がいたら、「ほかにどんなチャンスがあるのか」と視野を広げる手はあります。「もうここにしか自分はいられないからいろいろ我慢しているのに」と思って働き続けるのは、精神衛生上もよくありません。「いくつかある選択肢の中で、あえて自分の事情でこの仕事を選んでいるんだ」という納得をして働いているほうが、仕事に対する不平不満も生まれづらくなります。

仕事から得られる喜びは3つある

40歳を過ぎてくると、仕事から得られる喜びは3つあると考えられます。①報酬、②成長、③相手になんらかの貢献ができているという気持ちです。

①報酬

言わずもがな、仕事の対価として得られるおカネです。仕事をして生活の糧を得るというのは、仕事のもっとも本質的な理由ですので、この多寡が気になるのは当然のことです。「長く勤め続ければ緩やかにでも上がり続ける」と信じられた時代が終わりつつある今、これだけを仕事の理由にするには、今の会社で働き続けることは難しくなってきています。

②成長

若手から中堅の社会人が大事にすべきものです。ずっと同じ仕事で同じ賃金……これで満足できるということであれば、残念ですが、①の向上は得られないでしょう。転職をする場合などは、①が下がったとしても成長を優先することで、少し未来の①を勝ち取る、といったようなことも選択肢としてあります。

③貢献しているという気持ち

これも、若手のうちからある人もいるかもしれませんが、多くは中堅以降の人たちが感じるところではないでしょうか。若いうちは①の報酬や②の成長を追い求めていた人も、人に感謝されて仕事がしたいという気持ちは増してきます。自分が役に立っているという実感は、仕事に対するモチベーションになるものです。

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