『ヘルプマン!』は介護の仕事に就いた若い男性2人を主人公にし、介護をリアルに描く作品です。
介護業界のイメージは、他の産業に比べて、今後伸びていく成長産業というポジティブなイメージがありますが、体力的・精神的にきつい、給与水準が低い仕事といったネガティブなイメージも強く、就・転職想起率(連想できる)も低い。
そこで就・転職の想起をあげて、介護業界の就業人口を増やすために、HELPMAN JAPANは介護業界の正しいイメージ発信と定着率アップのためのノウハウを提供。新たな人材の呼び水になることを目指して奮闘しています。
当方も介護業界の人事に関わっていますが、退職率は20%を超えて、採用したくでも応募がない状態。ゆえに、会社単位での企業買収が始まっているような状況です。『HELPMAN JAPAN』のような取り組みで異業界からの転職が増えることを願いたいものです。
運送も、販売も足りない!
こうした取り組みにより人手不足業界のイメージアップにつながり、労働人口が増えるのは喜ばしいこと。ただ、構造的には少子高齢化で労働人口の減少は加速していく一方です。ということは、どこかの業界で人手不足が解消されれば、別の業界で人手不足が起きる状態ともいえます。
慢性的に人材不足なのが運送業界。中でも、小口配送する宅配業界は大変です。便利に、快適に進化してきた日本の宅配システムが限界に達しつつあるようです。この数年はネット通販の荷物が爆発的に増え、大手業者でもさばききれない日も少なくないとか。現在でも10万人以上の人材が不足しているようです。
そこで運転免許を持っている人材として注目されているのが、訪問介護業界で働く人材。訪問介護に比べて仕事が楽であると打ち出して、宅配業界への転職を促すアピールを行う会社もあるようです。
さらに、並んで人手不足が厳しいのが販売職。アパレル、雑貨、家電など派遣社員を正社員に転換して、人材を確保しようとする会社がいま急増しています。その背景にあるのがユニクロ社による販売員の正社員化。昨年度、1万6000人のパートを正社員に転換。これを受けて、販売職でアルバイト・パートや契約社員を正社員にする動きが加速しました。同時に
《店頭で接客する仕事です。体力的な負担は宅配業界より少ないのが魅力》
などとアピールして、他業界から新規採用する会社も増えました。このように業界をまたいでの人材の奪い合いがあちこちで起きています。もちろん、こうした努力で人材確保が進んだ業界もありますが、根本的には決まったパイの取り合いです。さらに、若手の労働人口は減少していきます。今後はいったいどうしたらいいのでしょうか?
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