会社で「みんなと仲良く」は不要だった?「いい人」をやめた人に起こった”ポジティブな変化”とは

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その男性に自分の行動の問題点や、相手の受け取り方を説明すると、頭のいい方ですから、すぐに修正すべきポイントを理解しました。

「これまでは、いい人でいることばかりを考えてきましたが、それだけではダメなんですね」

そんな彼の言葉が、強く印象に残っています。

人間には、誰にでも「表の顔」と「裏の顔」があります。人から見える表の顔は、自己防衛のための「手段」であり、周囲の人と上手に接するための「仮面」ですから、いい印象を与えることが大切です。

その一方で、いい人ばかりを演じていると、人には見せない裏の顔がゆがんできて、息苦しい思いをします。

ドライな人になるとは、自分の裏の顔を解放することを意図しています。ムリにいい人の仮面を脱ぎ捨てる必要はありません。いい人の仮面を着けたままで、虎視眈々と、心密かに、ドライな人を目指すことが、人間関係の最適化を可能にして、自分自身を解放することになるのです。

人間関係の9割は整理できる

人間関係というのは、お互いの思い込みや、決めつけによって成り立っています。この人は自分にとって必要不可欠だとか、この人がいなければ自分は生きていけない……と思えるような人が、あなたの身の回りにどのくらいいるのでしょうか?

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冷静に考えてみれば、あなたの人間関係の9割は、あなたにとって大切ではない人が占めているということに気づくと思います。

大切ではない人に気を回して、疲れたり、悩んだりしているのが現実です。「人間関係は身の回りの荷物と違って、簡単には整理できない」と考えている人がたくさんいますが、それこそが思い込みであり、決めつけです。

人間関係は整理できないと思い込んでいる人ほど、周囲から、「あの人は八方美人だ」と見られている可能性が高いのです。

一度にすべての人間関係を整理する必要はありませんが、「この人は自分にとって本当に大切な人なのか?」という視点を持ち、日常を俯瞰で観察していれば、自然に相手との適正な距離感が見えてきます。それを知ることができれば、余計なストレスを減らして、人間関係を最適化することができるのです。

大嶋 信頼 心理カウンセラー 株式会社インサイト・カウンセリング代表取締役

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おおしま のぶより / Nobuyori Oshima

米国・私立アズベリー大学心理学部心理学科卒業。FAP療法(Free from Anxiety Program不安からの解放プログラム)を開発し、トラウマのみならず幅広い症例のカウンセリングを行っている。アルコール依存症専門病院、東京都精神医学総合研究所等で、依存症に関する対応を学ぶ。人間関係のしがらみから解放され自由に生きるための方法を追究し、多くの症例を治療している。カウンセリング歴31年、臨床経験のべ10万件以上。著書にベストセラー『「いつも誰かに振り回される」が一瞬で変わる方法』(すばる舎)のほか、『無意識さん、催眠を教えて』(光文社)など多数。

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