「何のためにこんなに猛烈に働いているのか?」大手メーカーの課長になって2年。男性が「会社から逃げる」ことを選んだワケ

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それは車中で奇声を発するという形で現れた。

「ウォーーー」「ちくしょう」「このやろう」「自分はダメな人間だ」。こんなネガティブで汚い言葉が次から次へと口から出てきて、大きな声で叫んでいた。

“家族に心配をかけたくない”という思いもあって、家に帰る途中、誰にも気づかれず迷惑をかけないように、たった1人の車中で奇怪な行動に至ったのだと思う。

こうして「眠れない」「奇声を発する」という深刻な事態が日常になっていた。世間で言われているうつ病が他人事ではない、ごく身近に感じられた。

会社内の身上相談室の門を叩く

この自分の体に起きた変調を放置しておいてはいけないと感じ始めていた。まずは社内にある2つの相談室「身上相談室」と「メンタルヘルス相談」の門を叩いてみることにした。これらは会社内にありながらも、相談したことはあくまでシークレット扱いだと聞いたので行ってみた。

以前は、このようなところにお世話になるとは夢にも思わなかったが、このときに至っては、少しでも事態が改善すればと、すがるような想いで足を運んだ。 

身上相談室は、会社でのメンタル的な相談に限らず、どんな相談にものってくれるところで、たとえば遺産相続や子育ての問題なども対象となる相談室だった。

ここでどんなアドバイスをもらったのか、まったく覚えていない。多分、行く場所を間違えたと思ったのだろう。

もう1つのメンタルヘルス相談は、資格を持った看護師さんがじっくり話を聞いてくれた。ここでは、しばらく休暇、休職したらどうですかと言われ、最低でも1カ月、可能なら1年でもいいと、思い切ってしばらくの間、会社から離れてリフレッシュしてみないと事態は改善しないのではないか、というアドバイスだった。

しかしながら、私のとらえ方としては、「そう簡単に言われても困る」「責任ある立場なので難しい」というもので、親身になって言ってくれたとは思ったが、寄り添ってくれている感じがしなかった。

やっぱり心療内科に行くしかない。

社内の相談室は期待できないとわかり、次は医療機関の心療内科に行ってみることにした。

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