しかも薬剤師試験の場合、社会人主体の試験と異なり、多くの受験生が薬学部を卒業したばかり、あるいは卒業してから1年の若手。40代のあなたは記憶力でも不利です。さらに、同じ目標に向かう仲間が周りにたくさんいる若手受験生はモチベーションを維持しやすく、あなたより圧倒的に有利です。しかも子育てのない学生は、勉強に使える時間も多い、とくる。
つまり、記憶力も環境も時間も「ないない尽くし」なのが現在のあなたの状況です。そして、何度でも言いますが、知識に至っては「マイナス」からのスタートであるわけです。
たとえ夫に育児を手伝ってもらい、予備校に通ったとしても、この不利な状況には変わりがありません。そう、基本的にこの戦は「負け戦」なのです。そして、こういった「負け戦」に対する姿勢は、たったの2つしかありません。「撤退」か「一点突破」。これだけです。
中途半端な気持ちなら、目指さないでください
「撤退」は文字通り、諦めてしまうことです。繰り返しになりますが、既婚、一児の母、18年前に卒業、という状況は相当不利ですから、「そもそも目指さない」という選択は十分にあります。
中途半端に薬剤師試験のための勉強をするくらいなら、ほかのことに時間を使ったほうがましです。勉強に費やす時間がムダだとは思いませんが、資格だったら家計管理のためにファイナンシャルプランナーの勉強をする手もありますし、お子さんの教育に役立てるための本を読んだり、セミナーに参加したり……といった時間の使い方だってあるはずです。
時間は有限ですから、本当に価値があると思うことに時間を集中させ、薬剤師の勉強から「撤退」することを視野に入れてください。これは「逃げ」ではなく、「取捨選択」であり「勇気ある撤退」です。
それでもあなたが「撤退」を選ばない場合、そこには「一点突破」しかありません。何をもって「一点突破」するのかというと、それは「覚悟」にほかなりません。ただの覚悟ではない、並々ならぬ「覚悟」です。
ご質問を見ていると「昔勉強していたから薬剤師をもう一度目指そうと思うけど、難しそうだなぁ」くらいの、非常に弱い気持ちしか感じられません。「合格するまでに数年かかるだろう」とか「予備校に通っても授業がわからないだろう」とか、始める前から言い訳が目立ちます。
これでは、「やっぱり今年もダメだった」「予備校の授業が早すぎてついていけない」など落ちたときの言い訳が、始める前から頭に浮かんでしまいませんか? 「自分がどんな状況であれ、絶対に薬剤師になるんだ」という必死さ、魂が、まったく感じられないのです。
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