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キャリア・教育 #「何者でもない自分」から抜け出すキャリア戦略

時短勤務のリアル。子育て女性が直面する「マミートラック」の高すぎる"障壁"と"呪縛"

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  • 森数 美保 株式会社Your Patronum 代表取締役/組織・キャリア開発の専門家
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この「残像問題」とは、育休前に制限なく働けていた自分やマネージャーとしての役割を果たしていた自分の姿に引きずられる現象です。産休・育休前の自分を知っている人が周りにいるため、その記憶に縛られてしまうのです。

私のケースを用いて詳しく説明します。

以前の私は長時間働き、責任ある仕事をこなすことが当たり前でした。しかし、育休から復帰したあとは、子どもとの時間を確保しながら働く必要があります。

にもかかわらず、職場の同僚や上司の頭の中には「以前の私」が残っており、「前と同じようにできるはず」「マネージャーとして期待している」と無意識のうちに求められることがあります。周囲のそうした期待に応えようとすると、ワークライフバランスが崩れ、無理をしてしまうのです。

過去の自分とのギャップに苦しむ

さらに厄介なのは、こうした残像を周囲だけでなく、自分自身も見続けてしまうことです。

「以前はこれくらいできたのに」「なぜ今の私は同じように働けないのか」と、過去の自分とのギャップに苦しむことがあります。自分が変わったのではなく、置かれた環境が変わっただけなので、「もっと頑張れるはず」と思ってしまうのです。

こうした「残像問題」は、ただの職場復帰の課題ではなく、キャリアを継続するうえで大きな心理的負担となります。特に、責任ある役職についていた人ほど、「今まで通りのパフォーマンスを発揮すべき」というプレッシャーに押しつぶされそうになることが多いのです。

(2)「残像問題以外」の大きな壁

ライフステージの変化に伴う問題は残像問題だけではありません。次のような壁にも直面することがあります。

①働く時間帯が固定されるのがつらい
②仕事をがんばりたいのに肩身が狭い
③アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)に直面し、心が痛む

1つずつ見ていきましょう。

①働く時間帯が固定されるのがつらい

「足し合わせて8時間なら働ける」「その日の労働時間が足りなくても、1カ月で8時間×営業日数であれば働ける」ということはあると思います。

しかしながら現実は、その日の労働時間が足りなかったら控除。抜けるたびに周囲に謝る日々です。そうなると、「時短勤務の方がいいのかな」「いっそのこと辞めた方がいいのかもしれない」という考えが、ムクムクと湧き起こります。

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