小学校低学年から高学年、そして中学生へ……。周囲に私学を受験する子も増える中で、わが子の成績や先々の進路がまったく気にならない親はいないだろう。どうすれば少しでもいい点が取れ、より上位の学校に進学できるのか。そもそも子どもにやる気を起こさせるには?
約25年にわたり学習塾を運営し、3000人以上の子どもを指導、成績向上に導いてきた石田勝紀氏は「心・体・頭のしつけ」をすることが重要と語ります。この連載では石田先生の元に寄せられた親たちのお悩みに答えつつ、ぐんぐん伸びる子への育て方について考えていきます。
※石田勝紀先生へのご相談はこちらから
【質問】
初めまして。中学3年生男子の母です。うちの子どもは社会、理科には興味があり新聞もよく読み、資料集やテレビ特番ものが好きなため雑学が豊富です。しかし、数学、英語は嫌いと言う概念を持ってしまい苦手意識のため余計に勉強をしません。2時間以上机にひとりでついている時は、見ると何やら遊んでしまっています。集中してやるべき勉強をしていれば、こちらも何も言わないのですが、そうではないため、毎日怒鳴り合いです。
祖父母と同居しているため、祖父母からも怒られてばかりです。小学校5年生の頃から、祖父母には「口うるさく言う人がたくさんいると逆効果だから言わないように」と頼んできましたが、それは無理で、今に至っています。とにかく、本人は逃げるだけです。
学習塾に入れてもただ受け身で通うだけになりそうなので、1年生から家庭教師をつけていますが、宿題もやるのはいつも半分以下。何度怒られてもです。どうすればやる気になってくれるでしょうか。ご指導を是非ともお願いします。(仮名:澤田さん)
悪循環の原因は何なのか?
【石田先生の回答】
澤田さんのお子さんは、理科・社会に興味があり、新聞を読み、雑学が豊富であるということですが、これはとてもすばらしいことです。私は新聞をまともに読むようになったのは、20歳を過ぎてからですし、資料集はいつも新品同様でしたので、そのようなお子さんを尊敬してしまいます。澤田さんのお子さんは、英語・数学の苦手意識がついているため、勉強を嫌々ながらして怒られ、さらに気持ちが勉強から遠避かるという悪循環に陥っているようですね。
脅すつもりはないのですが、悪循環はやがて次のような経路を辿っていきます。
「勉強しない →(繰り返し)怒る → さらにやらなくなるか、やった振りをする → 学力は上がらない → 子どもは別のことに逃避する → もう勉強には戻って来ない」
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