できる子の親は「褒める」も「怒る」も最小限! 子どもが勉強しないとき、親は何をすべき?

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よく「褒めないで育てる」⇔「褒めて育てる」という二律背反で考えてしまう場合がありますね。しかし、実態としては、それはどちらも正しい場面もあれば、間違っている場面もあります。そう簡単にAかnot Aかと割り切れるものではありません。

怒る指導者は「焦り」に負けている

叱る、怒るのは生活習慣の乱れ、道徳に反した時であり、本人の自覚もある場合です。しかし勉強で点が取れないときや、間違ったときに叱ったり怒ったりはしません。

もし指導者が叱ったり怒ったりするのであれば、それは指導者の心の中に「自分(指導者自身)の思うとおりにいかないという『焦り』」があるからなのです。これは親にも言えることで、勉強ができなければ、一緒に考え、できるように支援してあげればそれで済むのですが、そこで、「抑えられない自己感情」が心の中から出てきてしまうのです。

職人の世界では、褒めるということをしないといいます。職人は究極の技を磨くために日々鍛錬しており、褒められると、そこで満足してしまい、心に緩みが出てその後伸びないためといいます。しかし、根底には親方と弟子の間にある種の信頼関係があり、この信頼関係が褒めるのと同様の効果をもたらしているため、褒めることが一切なくとも人は育っていくのだろうと私は思っています。

親子関係でも同じことでしょう。信頼関係がなく、いつも「叱る」「怒る」だけを繰り返していれば、どのような結末を招くか。ご想像のとおりです。

結局のところ、褒める、叱るか、怒るかという行為自体が問題なのではなく、「相手(子ども)がその後さらに向上していくようになるのであるのかどうか」という基準で考えていけば、いま子どもに対して行っている行為が正しいかどうかがわかってくるのではないでしょうか。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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