会社に制度がない。仕事が忙しい……。言い訳をする前に、ときには何かを諦めることも含め、真っ先に子育てを優先する努力をできているだろうか。「とにかくやる方法を考える」というのが、高橋さんの流儀だ。
「僕はあまり同僚とお酒を飲まないですね。『右手で仕事、左手で子育て。もう両手が埋まっていますので、すいません、ゴルフも行けないです』と、断っています。飲み会やゴルフに行きたい気持ちがないと言えばウソになります。でも、今はそれより優先したい、今しか出来ないことがある。妻も仕事が増えてきたし、子ども育ってきていますから」
どんなに仕事が忙しくても、子育ての時間をつくることができるかどうかは、働き方を見直し、やりくりすることができるか次第ということを高橋さんは教えてくれる。
諦めた代わりに得られたもの
だが高橋さんは、諦めることがあった一方で、子育てを通じて得ることもあったと言う。
「パパ同士で集まると、大抵、子育ての話になります。先日もオムツはどう替えているか、こう替えてきたなどの自慢話で盛り上がりました。ちなみに僕はコストコで購入した透明のビニール手袋を片手につけて、オムツをつかみながらビニール手袋をそのまま裏返しにして、入り口をしばる、というテクニックを披露しました。それは使えると後輩ダディに賞賛をあびましたよ。
パパたちが集まると、こんな具合に子育てにまつわる話が中心になるのです。それがすごく楽しくて、そうしたところから『スーパーダディで、今度は何をやろうか』といった話に発展していくのです」
一見趣味や特技を失ったかに見えて、高橋さんたちSDAのメンバーは子育てという趣味や特技を得ることができたのだ。そして職場の人間関係だけではなく、子育てを通じて業種を超えた横のつながりができたことが、高橋さんにとって大きな財産になっているようだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら