SDAのホームページを開くと、「妻よ!子どもを産んでくれてありがとう 子育ては俺に任せろ!」と、迫力ある筆文字で書かれたコピーが目に飛び込む。協会が推進するのは、「人からやらされる子育て」ではなく、「自分から楽しみながらやる子育て」だ。
「SDAは『かっこよくなければダディじゃない!』を標榜しています。僕たちの次の世代に『ファッションにも持っているものにも気を遣って、子育てしてるパパってかっこいいじゃん!』と思ってもらえるようなパパ像をつくりたいのです」
たとえばSDAではこれまでに、セレクトショップのBEAMSとタッグを組み、夫である男性に、普段から「ゆるく家事を楽しもう!」と思ってもらえる新しいライフスタイル「ゆる家事」を提案してきた。これに伴いBEAMSの店頭では、初心者でも簡単に家事を始められるゆる家事HOW-TO本や、ゆる家事にぴったりの楽曲が収録されたCDを配布。デザインからこだわって作った「ゆる家事エプロン」は、発売からすぐに完売した。
そのほかにも、料理研究家のSHIORIさんとコラボしたパパ向け料理教室、プロサッカー選手の鈴木啓太さんや『UOMO(ウオモ)』の表紙モデルのリヒトさんなどパパ有名人とコラボしたトークイベントなど、あらゆる手段で「かっこいいパパ」の子育て啓発を行っている。
「妻の才能を潰すのがイヤだと思った」
日々繁忙の中にあって、SDAを発足させようと高橋さんを奮い立たせたのは、2つの愛だった。1つ目は、わが子とパートナーに対する愛だ。
「結婚して、2人で音楽の話をしたり海外旅行をしたり、すごく楽しい日々が続きました。しばらくは2人で友だちのようにいい感じで過ごしていたのですが、あるとき、子どもも『いたらいいよね』という話になって。そして子どもができたら、やっぱりかわいいですよね。そうなったからには、子育てを趣味にし、特技にしてやろうと思ったのです」
どうせ子育てするなら、徹底的に楽しみたい。そんな気持ちを語る一方で、パートナーの人生を思う高橋さんの本音もこぼれた。
「出会った当時僕が39歳で、妻が27歳。妻にはライターや作家としての仕事があり、僕は、彼女に才能があると感じていました。だから、結婚することで12歳も若い女性の才能を潰すのはイヤだなと。男性が一生懸命子育てすれば、妻に時間ができます。多くの男性に、自分の奥さんの人生も考えて欲しい。それがいちばん大切にしたいと思っている価値観です」
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