共働き夫婦をトコトン悩ます「37.5℃の壁」 親にだけ子育てを押しつける社会は健全か
子どもの発熱で1週間休んだだけで解雇に!
——子供が37.5℃以上の熱で保育園に行けなくても、仕事を持つ親は休みを取れないこともあるし、仕事を中断して子供を迎えに行くこともできない。これが、トコトン親を悩ます『37.5℃の壁』の一部ですが、実際に育児の現場では、どんなことが起きているのでしょうか。
ベビーシッターをしている僕の母から聞いた話です。僕が病児保育を始めたきっかけでもあるのですが、まさに深刻な例です。
双子のママの子供が37.5℃の熱を出したので、彼女は会社を休んで看病しました。双子なのでうつし合ってしまい、1週間ほど会社を休まざるをえなくなってしまいました。すると会社が激怒して、そのママが実質的に解雇されてしまったのです。
僕は思いました。子供が熱を出すのは当たり前なのに看病のために仕事を休んで職を失う社会なんてありえない!と。これが、世界第3位の経済大国の話だと思うと、情けなくないですか? 僕は子供の頃から、働く母親の背中を見て育ってきたので、母親が働くことは当たり前で必要なことだとわかっていました。
でも世の中が、母親が働くことを制限し、虐げている。これは地味だけど、実は当事者にとっては大変大きな課題である、と感じています。フローレンスを立ち上げたのは、「世直しをするしかない」という気持ちからです。
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