その後、翔太さんは婚活を続けましたが、同世代の女性とはことごとくうまくいきません。女性側から感想としてよく言われるのは、やはり「コミュニケーションに違和感がある」ということ。
翔太さんはお見合いで自分の話を一方的にするばかりで、女性に質問を投げかけることがありません。また、女性が話しているときに相づちを打つこともなく、途中で自分の言いたいことをかぶせて話し始めることも……。
半年間、たくさんの人とお見合いしましたが、最終的に彼がマッチングしたのは、やはり年上のアラフォー女性・彩さん(仮名)でした。
彩さんはとても優秀で専門資格を持ち、収入も高い。そして包容力がある。彩さんには10歳年下の弟さんがいて、赤ちゃんのころからオムツを替えたりミルクをあげたりしてとてもかわいがっていた経験がありました。そのため、翔太さんのような15歳近く年下の男性の面倒を見ることにも抵抗がありません。
彩さんはバツイチ。前夫は外面はいいタイプでしたが、浮気を繰り返していたうえ、深夜に彼女が激しい腹痛に見舞われたときも「いま何時だと思っているんだ。俺は明日仕事なんだ。救急車を呼べ」と冷たく言い放ち、心配すらしてくれなかったそうです。そういった過去の経験からも、翔太さんの幼さや裏表のなさ、ちょっと不器用なところも、むしろかわいらしく感じていました。
一方、翔太さんにとっては、結婚歴のある彩さんの落ち着きや包容力が魅力的だったのでしょう。デートも、彩さんが次にどこに行くかを決めることが多く、翔太さんは自分がリードするよりもリードされていろいろなところに連れて行ってもらうことを楽しんで交際を続けています。
コミュニケーション力に課題、年上女性に安心感
若い男性たちがお見合い相手に「10歳、15歳上までOK」と記載するようになった背景には、近年、職場に女性上司が増え、年上女性に対する抵抗感が薄れてきたことがあるようです。
一昔前は「女性は若いほどいい」という男性ばかりでしたが、やっと年齢ではなく、「仕事ができる」「やさしい」「包容力がある」といったさまざまな観点から自分に合うパートナーを探そうという考え方が出てきました。年齢にこだわらない結婚の形は、今後ますます広がっていくのではないかとみています。
一方で、気になる点もあります。同世代の女性と何度お見合いしてもフラれてばかりで、年上女性とならばうまくいくという男性の中には、コミュニケーション力に課題を抱えている男性が少なからずいるということです。
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